2016-01-07から1日間の記事一覧

良寛の涙(一話目)

良寛は宝暦八年(1758年)越後(新潟県)出雲崎の名家の長男として生まれましたが、人生問題で悩み、18歳の時に、家を弟の由之にゆずって出家しました。この逸話は良寛が60歳のころの逸話です。 ………… その頃、良寛は、故郷の国上山中腹の五合庵に住んでいま…

ファラデーの涙(二話目)&エピローグ

ある日、教壇に立つと、小さな一本の試験管を揚げて、次のように話し出した。 「諸君、この中に入っているものは、一体何だと思う?」 けげんな顔つきで見つめる学生たちに向かって、ファラデーは、静かに説明を始めた。「実は、底の方にある少量の液体、こ…