.今回は、起案責任について話をしたいと思います

一般に起案責任というと、その起案内容に責任を負うということでありますが、ここでいう起案責任とは、「起案する責任」「起案をしない責任」について述べます。まだ私が若い時上司はよく、「君には起案権限がある、それを行使しないのは一種の職務放棄だ。」と檄を飛ばしました。「そんな権限ってあるんですか?」ということになります。下位の職位には義務であり、職位の高い人には権限といったほうがいいかもしれません。例えば、最近の会社不祥事が多くニュースになります。食品偽装問題や消費期限の改ざんなど多くの社員が関わっているにもかかわらず放置し、長期間続けていたなどということは全く信じられない話です。上に責任があることは間違いないですが、トップだけが悪くその下のものには責任はないのでしょうか?起案責任とはそういうことなんです。当事者でなく傍観者となってしまえば起案責任から逃げたことになります。一番困るのはこの傍観者です。自分とは関係ない、私の職務範囲はここまでである。勝手に自分に都合のいい「枠」を作ってしまいます。責任から逃れようとしている人が仕事に関わっていれば、大きな事件や事故につながっていく可能性があります。