トップの意思は伝わらないものだと悟ること

トップの意思はなかなか伝わらないと思うべきです。トップと社員の間にはどうしても壁ができます。これは当たり前で仕方のないことなのです。また、トップからの伝達事項を伝えていく者の知識理解度や表現方法により、事実は、全く異なった情報として伝わることもあります。始末に終えないのは、介在する者がある意図を持って、相手にわざと違う事柄を伝えるケースです。

 ですから、トップは自分の意思は正確には伝わらないと悟ったほうが無難です。下からの意見や情報もなかなか伝わってこないものです。下からの情報が上がらない場合、トップとして心すべきことがあります。それは、悪い情報が入った時に、絶対犯人捜しをしないこと。誰がそんな事を言っているのかとか、誰が正しいのか、誰が正しくないのかを問うてはいけません。トップの人間的な器量を問われる瞬間です。解決方法は、自分自身の目で現場を見て、事実を確かめることです。そうすれば、現場の真実の声を聞くことができます。私は、上記のタイプのトップに約10年仕えました。幸せな時間でした。