人生って不思議なものですね(その一)

社会心理学の用語に「マタイ効果」という言葉があります。

この言葉は、聖書のマタイの福音書の第25章29節「持っている人は、与えられていよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまで取上

げられるであろう」から来ています。

生物の世界では、富む者は益々富み、貧しいものは更に貧しくなる、という現象が一般的です。

植物の世界では、先に光を受け取り、体を太らせることが出来れば、その体力がつき、植物は更に背を伸ばすことが出来ます。

しっかりと根を張り養分を吸収することも出来ます。逆につまずいた植物は、他の植物の陰になってしまい、光合成の稼ぎが悪くなるため、根の張り方も不十分で、背も伸ばし難くなってしまいます。

この「マタイ効果」という言葉は、「勝ち組と負け組」が生まれる理由としても使われます。

負け組になった会社が、倒産ということになると、今まで持っていたシェアを、手放すことになります。

その取り分は、その時の生き残っている企業の実力に比例して、その恩恵を受け取ることになり易いです。

結果として、力のある企業は、益々大きくなり、弱い企業とは、また差が付いていくことになります。

シェアを獲得するだけでなく、競争相手だった所が、市場から退場するのですから、残った会社の優位性はますます高くなります。

自動車業界においても、流通業界においてもその現象は随所に表れています。

マタイ効果を人の心の持ち方に応用してみましょう。

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冒頭で、「幸せな人はもっと幸せになるし、不幸な人はもっと不幸になる」と述べましたが、それが正しいとすれば、次の様なよく似た現象が現れることになります。

『お金を持っている人は、益々お金持ちになり、貧乏人は、益々貧乏になる。勉強のできる人は、益々勉強が出来るようになり、出来ない人は益々出来なくなる。モテル人とモテナイ人、友達の多い人と少ない人、社会的な信用や地位、名誉についても…とマタイ効果が現れる領域はかなり広くなります。

しかし、このメカニズムを信じてはいけません。お金は実体がありますが、心には実体がありません

長くなりますので、この続きは次回…その原因は…