オーストラリアの世界地図(2部構成) Part2

これまでの人生で、オーストラリアの人々が、こういう気持ちを抱いていることを、思いやったことがあるでしょうか?毎日見ているものほど、何の疑問も持たないことが多い。新聞は、毎朝、疑いもなく新聞受けに入っていると思い込んでいる。栓をひねると水道水が出てくることに、何の疑いも抱きません。宇宙飛行士の皆さんが、宇宙船の中から地球を見れば、いつも日本は上にある訳ではありません。上の時も、下の時も、横の時もあるでしょう。それなら「私たちが、上半分に描かれても良いでしょう」というオーストラリアの人達の主張は、もっともなのです。

大切なことは、私たちは日頃、南半球の人達が、「我々の国が、地図の下の部分に描かれているのは不満だ」と思っておられることを、日頃考えてもいないということである。しかし、その気持ちに気付くのは難しい。そうすることが難しいのは北半球の人達が、南半球の人の立場で考えたことがないからでしょう。

「お客さま視点」とか、「お客さま第一」とよく言いますが、この考えを徹底的に実践するには、相当な努力が必要です。もし、どうして良いか分からなければ、お客さまのところへ、たびたびお邪魔することがありましょう。いかにも知ったかぶりをして、対岸から「ああだ」「こうだ」と言うのではなく、お客さまの困っておられる話をお聴きするところから、全てのスタートがあると思います。

足を運んで汗をかき、真摯にお客さまは、何を希望されておられるのかを、よくお聴きする以外ないのではないでしょうか。そうすると、提案するヒントが見つかるかもしれません。