日々新又日新(全3編)その1
その1
『自ら未来をつくることにはリスクがともなう。しかし、自ら未来をつくろうとしないことの方がリスクは大きい。』(ドラッカー365の金言)
人は往々にしてリスクを恐れて変化を嫌うものです。
しかし、この世の中に変化しないものはありません。
リスクを怖れて行動しないことは、長い目で見ればより大きいリスクを引き寄せることになります。
変化を止めることが出来ない以上、変化の先頭に立つことが大切なんだと思います。
財貨を失うのは、少し失うこと。
名誉を失うのは、多くを失うこと。
勇気を失うのは、全てを失うこと。
生まれなかった方が、良かっただろう。(ゲーテ)
前に進む勇気を、常に持ち続けたいものです。
「朱子」の言葉にも、良く似た言葉があります。
「謂うなかれ、今日学ばずとも来年あり」とあります。
意味は、次の通りです ※注 謂ふ→動詞「言う」の運用形
今日学ばなくても明日は来る、などと言ってはいけない。
今年学ばなくても来年が来る、などと言ってはならない。
確かに、何もしなくても明日は来ます。
何もしなくても来年はきます。
時はたゆまなくながれるのだから。
しかし、過ぎ去った時は戻りません。
何もしなかった、出来なかったからと言って、寿命が延びるわけでもありません。
もちろん、時には何もせず休憩休養をとることも重要です。
しかし、「休憩」と「無為」は違います。
日々の学びは僅かであっても、1年365日積み重ねれば、無為に1年を過ごすのとは大きな差となります。
少しずつでも良いから、修学することこそが重要なのだと思います。
そして学んだことを生かす上で、大事なことがあります。
……
『…いかなる知識といっても、行動に転化しないかぎり無用の存在です。しかし行動の前には、計画をしなければなりません。望むべき結果、予想される障害、必要となる修正、チェックポイント、時間管理上の意味合いを考え、計画の中に織り込まなければなりません。…』
(経営者の条件/実践するドラッカー[行動編]より)
セミナーにしろ、読書にしろ、どんなに良い知識や情報を持っていても、或いは経験による気づきや学びであっても、行動しなければ意味がありません。
セミナーに参加して、どんなに素晴らしい知識やテクニックを教わっても、実行しなければ成功出来ないのです。
成功哲学にしろ、ビジネス講座にしろ、セミナーの参加者で実際に成功するのは、ほんの数パーセントだそうです。
難しいとすぐあきらめるのは、学んだ全てを、行動に移そうとするからではないでしょうか。
1%でも良いから、行動に移せることはないかと考えればヒントが浮かびます。
……・
ドラッカーの言葉でいえば、「変化を止めることは出来ないし、コントロールすることも出来ないのです。出来るのは、どのように変化の先頭に立つかと言うことだけです。前へ、前へ、ただひたすら前へ」
行動することが重要なのだと思います。自戒を込めて。
次回から2つ、
古今東西、『日々新又日新』を座右の銘にしたお二人のリーダーの話を紹介しながら、私たちにとっても『日々新又日新』の思考が如何に大切であるか、を考えていきます。