日々新又日新(全3編)その3

その3

心は、何でそんな古いことが好きなのでしょうか?

自然が新しくなっていくように、心も毎日毎日新しい心になって、古いことはさっさと忘れたいものです。

忘れるといっても、全て完全に忘れることは出来ませんが、思い出は写真を見る度に振り返ればいいのではないでしょうか?

若い頃は、こうだったなあ、あの時はこうだったなあー、ケンカもしたなあーと思いだして、写真を見ながら会話を楽しめばいいでしょう。

古いものを、さっさと捨てる良薬は、どんな小さなことでも良いから、成功体験を少しずつすることだと思います。

或いは、小さな親切(善行)を重ねることでもいいです。

大きい一発ばかりを、昔ながらの手法で狙っているから失敗をするのです。

例えば、指定位置でもない場所で、客待ちをしているタクシーより、こまめに街中を流しているタクシーさんの方が、売上げは多いといいます。

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土光敏光、ご年配の方は知っておられると思いますが、元経団連会長をされ、幾多の経営危機に瀕した巨大企業を再建された方です。

彼が、座右の銘としたのが、湯王の言葉と同意後の

「日に新たに、日々あらたなり」でした。

謹厳実直な人柄と、余人の追随を許さない抜群の行動力、そして質素な生活から、

「ミスター合理化」「怒号敏夫」「めざしの土光さん」

の異名をいただいた人です。

昭和25年、経営の危機にあった石川島重工業の社長に就任し、徹底した合理化で、経営再建に成功します。

昭和40年、やはり経営難に陥っていた東芝の再建を依頼され社長に就任。

辣腕(らつわん)を振るい再建に成功します。

就任時の挨拶は

「社員諸君には、これから3倍働いてもらう。役員は10倍働け。俺はそれ以上に働く」というものであったそうです。

「日に新たに、日々新たなり」という言葉は、

不況という環境で、マンネリになりそうな我々が、自ら「頭にガツン」と一撃を食らわせるべき言葉ではないでしょうか。