水平思考と垂直思考(全2編)その1
(その1)
いきなりですが、クイズです。
あなたの帰宅中、駅前に移動販売のトラックが来ていて、産地直送のオレンジを山盛りにして販売していました。
2山を買い求めて帰宅すると、親戚の子供たちが3人遊びに来ていました。
そこで2山のオレンジを数えてみますと13個ありました。
これを3人の子供達に、公平に分け与えようと思います。
どの様に分ければいいのでしょうか?
………………………
回答を申し上げます。
垂直思考
回答1:4個ずつ分けて、余った1個を3等分する。
回答2:量りを使って同じ重量ずつ分配する。
この2つは、「ロジカルシンキング」の発想です。
これの方法は、「筋道を立てて論理的に回答を引き出す」方法です。
垂直思考です。
一つの考えを深く掘り下げます。
基本的には回答は一つです。
常識的・経験的に発想します。
論理を重視し、既存の枠組みに当てはめようとする方法です。
水平思考
回答3:ジュースにして分ける。
「分けて下さい」と言われるとオレンジという現物のまま分けるのだと考えがちです。「加工してはいけない」とは書いてありませんから、この方法も立派な解決策です。
個体から液体への発想の転換です。
この発想は既成概念にとらわれない小学生が応えてくれそうです。
更に凄いのが次です。
回答4:オレンジの種を植える。
余ったオレンジの種を植える。余ったオレンジの種を土に埋め、沢山みのってから同数ずつ分ける。
どうやら「さるかに合戦」の絵からヒントを得たような回答です。
まるで投資家の様な話です。
この2つの発想は、「リテラルシンキング」いわゆる「水平思考」です。
考え方の可能性を広げ多面的に考えます。
唯一の正解は無く、沢山の回答があります
。自由奔放に発想し、枠組みに捉われず、直感を大切にします。
………………
1970年に開催された大阪万国博覧会での話です。
早く会場に入ろうとする人達が開門前から入口に押し掛けました。
警備員が「走らないで!」と怒鳴っても効き目がありません。
ゲートが開くと一斉に走り出します。
ところが、人の数に比べて入口付近のスペースは極端に狭くなっており、急ぐ人達がぶつかり合い大変危険でした。
………………
この対策を、ロジカルシンキングで行うと、「警備員を増員する」・「ゲートを大きくする」・「入場者制限の為の柵を作る」となります。
ところがこの対策としてとられた方法は、全く異なるものでした。
要するに、人が走らないようにすればいいのです。
主宰者は入場を待っている人達に、小さな会場案内図を配りました。
走りながらでは、字は読めません。
急ぐ人はずいぶん減りました。
水平思考の勝利でした。
次回は、もう1つ、水平思考の成功例と小話(私のとっておきのジョーク?)
をひとつ紹介いたします。