真剣勝負…戦国武将達は何故真剣に論じるのか?(全2編)その1

その1

戦国時代にテーマを求めた映画やテレビドラマは、大変人気が高いようです。

NHKの大河ドラマの殆どが戦国時代の武将達です。

武田信玄上杉謙信織田信長豊臣秀吉徳川家康、といったところが良く取り上げられます。

現在、大河ドラマでは『真田幸村』が放映されています。

視聴率も高いようです。

各々が、時代の先頭を走る特徴を持ったリーダー達ですから、政治家にとっても事業家にとっても、リーダーのあり方を学ぶ点が多いのだろうと思います。

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あの時代、戦国時代の領主達は、戦争に明け暮れる日々でした。

そして武将達は、事あるごとに。戦場へ駒を進めることを繰り返していました。

そうした日々は、生死の間にあったことでしょう。

随分前の大河ドラマ宮本武蔵」の中で、

沢庵和尚が「いつものように東から日が昇り、何ごとも無かったよう西に沈む、そんな一日がありがたい」というようなことを言っていたように記憶しています。

この言葉が、肌で感じられるような状況だったのでしょう。

各業界の経営幹部の人達との意見交換の中で、これらの映画やテレビドラマのことは引き合いに出されました。

動機付けについて意見を交わしていた時のことです。

「戦を前に、領主の御前で繰り広げられる軍議では、武将達はなぜあそこまで『侃々諤々(かんかんがくがく)、遠慮することなく、言いたいことを、言い盛んに議論する』とした発言が出来るのだろう.。経営トップを前にした、現代の役員や経営幹部の会議と大きな違いだ。せっかく会議に参加していながら、何の発言もすることも無く、会議室から出ていく幹部とは大きなちがいだ」

………………

「武将達は何かに動機付けられているはずだ。それは一体何だったのだろう」

というものでした。

現代の企業の役員達より、戦国時代の武将達のほうが、積極的に発言している様子から判断すると、はるかに高度に動機付けられ、創造的に思考し、行動しているように見えると言います。

映画やドラマですから、面白くするための脚色がされているかもしれません。

それを差し引いても、その時代の背景や、武士たちの置かれている状況を推測すると、まんざら作りごととも思えないのです。

到達した結論は、彼らは「生死を賭けているからだ」と、言うものでした。

彼らが戦場で討死する可能性はかなりあります。

戦に敗れれば、死が待っています。

死とは、青年期や壮年期にある人間にとっては最も嫌なことであり、最も避けたいことです。

彼らは、最も嫌なことを避けるのは何をすべきか必死に考え、周囲に訴え、そして行動していたと言えそうです。

そして、生き延び勝利を得る為には、右から攻めるべきだ、いや左が、或いはグループを分けて何段階かの攻撃にすべきだ、一挙に攻め込むべきだとまさに、命をかけた議論を交わしたはずです。

最も嫌なことを避けたい、即ち「負け戦と死」は、どうしても避けたいということが、彼らを最大限に動機付けたのであろう、ということです。

 

次回は、戦国武将と現代ビジネスマンの置かれた状況から違いを考えてみます

 

それでは、皆さまへ 「キュ」