常識の疑い方(全4編)その1

その1

物事を論理的に考えていく時に、「世間で言われている常識を疑ってみる」と、新しいアイデアやヒントが出てくることがあります。

「そんなことをするなんて、あなたの常識うたがうなあ~」と言う話ではありません。多くの人が「これはこういうもの」と思いこんでいるところに疑問を持ち、論理的に考えた結果、異なる結論に達することがあるという話です。

新しい手法を考える時、普通のやり方より楽だったり、普通は出来ないことができたりと、なかなか後利益も大きいと思います。

特に「人と違う道を行きたい」という人には魅力的です。

そんな「常識を疑う」思考について見て行きたいと思います。

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「監督、練習時間を短縮してもらえませんか?」

ずいぶん前のことですが、新聞にこんな記事がありました。

かつて巨人で活躍した、桑田真澄から、高校球児と指導者たちに向けられたメッセージがありました。

ちょうど夏の甲子園に向けた予選の頃で、その面の三分の二ほども占める大きな記事です。

内容は、「悔いのないように頑張れ」といった単なる精神論でなく、

「常識に疑問を持ち、考えた結果、違う結論を投げかける」ものでした。

また、ビジネスパーソンにも当てはまるところが多くあったのが面白いところです。

例えば、練習時間について述べてありました。

彼が、大学院の論文のために行った調査によれば、プロ野球選手達は、高校時代、平均で平日に4時間半、休日では7時間20分練習をしてきたとか。

これだけ見ると「やはりプロになるには長時間の練習が必要なのだ」という感じがします。

しかし、桑田氏は、もっと短くすべきだと言います。

集中力も体力も、そんなに続かないと成果はそれ程期待できません。

(仕事も同じではないですか?)

実際、彼は高校時代、監督に全体練習、時間を3時間に短縮することを直訴したそうです。

その後、彼のいたPL学園は、黄金時代を迎え、桑田氏の時に、春夏合わせて優勝2回、準優賞2回、二年下の立浪選手の時代も、同じ練習時間で春夏連覇を果たしました。

ずば抜けた力を持った清原選手などがいたからという面もあるでしょう。

しかし、選手時代の経験からだけでなく、大学院での研究も通してたどり着いた結論は、検討の価値がありそうです。

記事には他にも「アメリカをお手本にしない」頷ける提起がなされていました。

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こういった「○○するべき」という類(たぐい)のものには、疑ってみるべきことが良くあります。

疑うというとイメージが悪いですが、「本当に、そうじゃなきゃいけないのか?」

「他の手はないのかなあ?」と考えてみる訳です。

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例えば、この間、ツイッタ―で「子供の絵本を読む量は、親の読書量に比例する」というツイッタ―を目にしました。

確かに「親の背中を見て学ぶ」面はあると思いますが、そこが一番大きいのだろうか?と疑問に思ったので、ちょっと考えてみました。

例えばうちの場合、私も妻もそう本を読む方ではないのですが、息子は本が好きです。

これは、他に誘惑がなくて、楽しい本があって、ある程度リクエストに応じて、本を与えていれば、あとは勝手に読むと言うことではないでしょうか。

今日から、4回連続で「常識」を思い切って疑ってみたいと思います。

次回は、「人のいうこと、権威の言うことを、鵜呑みにしてはいけない」こういったことに気づく方法について考えてみます。

皆さんの中には、異論・反論がある方もおられるかもしれませんが、

そこんとこ、ヨロシク!でご容赦くださいませ。

それでは、「キュ」