88.人を感動させることの利益(全3編)その1
その1
人は感動すると、黙ってはおれないもので、周りの人に誰彼となく言いふらしたくなるものです。
特にインターネットの時代、とんでもない広がりが起こったりします。
また感動させられると、その人に対して、今までとは全く違った意識で接するようになったり、お店であれば熱烈なファンになって、宣伝の役まで買って出てくることだってあります。
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人を感動させるというようなことは、事前に計算してするものではないかもしれませんが、人間関係の改善やビジネスの繁栄のために大いに役立つなら、どうしたら人を感動させることが出来るか?
また私達は、どういう時に感動するのか?
研究してみる価値は十分あります。
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アメリカのノードストロームというデパートは、「お客さまにNOを言わない」ことを社是にしていることで知られています。
例えばお客さんの希望する商品を扱っていなかったら、その商品を扱っている他店を紹介するという風に行動するのです。
ある日本人旅行客が、そのお店で、気に入ったシャツをみつけましたが,あいにく自
分のサイズに合ったものがありません。
明朝に日本に向けて立つ予定なので諦めました。
ところが対応した販売員は、そのあと調べて、50マイルばかり離れた別のお店に、その商品があることを突き止め,夜車を走らせ、翌朝宿泊先のホテルへ商品を届けたのです。
数十ドルのシャツを届けるために、通りすがりの旅行客に、そんな代償を払うとはビジネスとして全く割の合わない行動で、議論は分かれるところでしょう。
ただ受け取った人は大変感動しました。
たまたまその人は日本では有名人で、帰国後その感動をいろんな人に言いふらしたので、ある雑誌に紹介されたのです。
結果として、大きな宣伝になったことでしょう。
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次回は、中央公論「海の友情」阿川尚之著よりの抜粋ですが、日米関係に影響を与えた一人の人間のお話を紹介いたします。
最初は反日で、全く日本嫌いだった人が、あることをきっかけに、大変な日本びいきになり、勲一等旭日大勲章を受けるほど日本のために大きな貢献を果たしたお話です。
それでは、「キュ」