神々は見ている(全4編:2話)「ひび割れつぼ」その1

 

その1

インドの寓話に、とても良い話があるので紹介致します。

(その2)でまとめを致します。

インドのある水運び人は、2つのつぼを持っていました。

その2つを天秤棒の左右につけて肩にかけ、ご主人の為に毎日水を運んでいました。

片方のつぼにはひび割れがあったので、そこからいつも水が半分零れていました。

もう片方もつぼは完璧で、何らひび割れ部分がありません

彼は「自分は役目を十分果たしている」と満足していました。

ひび割れつぼは、自分のひび割れを情けなく思っていました。

「どうして僕には、こんなひびがあるんだ!」

起こりながらも、最後はいつもみじめな気持になり、沈み込んでいました。

………・

2年が経ち、ひび割れつぼは、とうとう水運び人に言いました。

「私は自分が恥ずかしい。私にはひび割れがあって毎日水が半分こぼれ、あなたの役に半分しかたっていない。それがとても辛いのです」

それを聞いて水運び人は、ひび割れつぼに優しく言いました。

「今度運ぶ時に、道端の花を良く見てごらん」そう言われて、次の日、ひび割れつぼは毎日通る道に美しい花が沢山咲いていることに気づきました。

そして、季節が変わるといつの間にか、又新しい花が咲いているのです。

…………

美しい花を見たひび割れつぼは、少し元気になった気がしました。

しかし、時が過ぎても、ご主人の家に着いた時には、相変わらず、つぼに水は半分しか残っていませんでした。

「やはり私は役に立たないつぼです。水運び人様ごめんなさい!」すると水運び人はこう言ったのです。

「まだ、気が付いていなかったのかい?道端の花は、いつも君の側にしか咲いていなかっただろう。僕は君のひび割れを知っていたから、君の通る道に、花の種をまいておいたんだ。季節が変わると、それに合った花の種をね…。毎日そこを通るたびに、君は種に水をやり、花を育てて来たんだよ。僕は毎日その花を切り、ご主人の食卓に飾ってきた。君のお陰でご主人は、綺麗な花を眺めながら、食事を楽しむことができるんだよ・・・・・」おわり

次回は、このお話の感想と、まとめを致します。

その2は、ここからはじめます。

この話は、子供を育てる時、人と接する時、人と接する時、チームワークで仕事や、スポーツをする時、また一人になって、静かに自分を見つめる時にも、色々なことを、私たちに教えてくれるのではないでしょうか‥‥‥‥‥‥