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東日本大震災から5年(全8編)その6

「釜石の奇跡から学ぶ」新聞記事より(1)

「釜石の奇跡」という言葉の中に、多くの学ぶべき教訓がある。

釜石市内の小中学校での防災教育で、特に重きを置いたのが

「自然に向かい合う姿勢」を、子供達に与えるということである。

そして彼らに伝えたのが、次に挙げる避難三原則だった。

一つ目は「想定にとらわれるな!」ということです。

端的に言えば、ハザードマップ(災害予想図)を信じるなということである

最初に取り組みを始めた鵜住居(うのすまい)小学校は、マップ上では浸水想定区域外にあったため、子供達は

「自分の家は安全だ」「この学校も大丈夫だ」と安堵していた。

しかし、災害時に非常に多いのは、

マップの想定に基づいた行動を取って亡くなるケースである。

…………・

そこで私は子供達に、「ハザードマップは、あくまで想定にすぎない

相手は自然なのだから、どんな想定外のことも起こり得る。

『先生が大丈夫と言ったから安全だ』と、いった受け身の姿勢でいては絶対ダメだ」

と伝えた。

二つ目は「その状況下において最善を尽くせ!」である。

ここでは、今回の地震発生時、釜石東中学校の子供達が撮った行動を紹介したい。

3月11日午後2時46分、約5分間にわたる激しい揺れが続いた。

教頭先生が、校内放送で避難を呼び掛けようとしたが、停電によって音が流れない。

しかし、部活動をしていた中学生は、

すでに揺れている最中から自らの意思で校庭を駆け出し、

隣の鵜住居小学校に向かって

津波だ。逃げるぞ!」と大声で叫んでいた

児童達は、当初、小学校の3階に避難していたが、

日頃から中学生と一緒に避難訓練を重ねていたので、

その声を聞いて一斉に校舎を飛び出し、中学生と合流して避難を始めたのである。

そして彼らは、予め指定してあった避難所に辿り着いた。

しかし避難所の脇にある崖は崩れかけており、

海へ目をやると津波が防波堤に当たって、激しい水しぶきを上げている。

この様子を見たある男子生徒が「先生、ここじゃダメだ」と言って、

更にその先にある施設へと移ることを提案した。

……………

無事全員が移動し終えたわずか30秒後、最初にいた避難所は、津波にさらわれることとなった。

当初、学校は津波に浸からないものとされていたが、校舎の3階に車が突き刺さっているほどだから、屋上まで冠水したことは疑いない。

もし想定にとらわれて、学校や最初の避難所にとどまっていたとしたら、

命を守ることはできなかっただろう。

三原則の最後は,「率先避難者たれ」

もし「その時」がきたら、

他人を救うよりもまず自分の命を守り抜くことに専心せよ、という意味である。

今回の津波でも、大声を出しながら全力で駆けだした中学生達が、

児童を巻き込み、大挙非難する彼らの姿を見て、住民の多くも避難し始めた。

‥‥‥‥‥

 明日は、ここから始めます。

”子供達は、文字どおり率先避難者となり、周りの大人達の命をも救ったのである。

ただし、この三原則で述べられていることは、多くの子供達にとって受け入れがたいものでもある。

それまで、「先生の言うことや教科書に書かれてあることは正しい」

と教えられてきたのに、いきなり、「この地図は信じるな!」と言われる・・・・

‥‥‥‥

3月11日の最終回は、天皇皇后両陛下が被災された方々に対して取られた

対応についてのお話です。

‥‥

今日から、全国的に、また冷え込むようです。

体調管理には十分沖を付けくださいます。

それでは、みなさん、今日も素敵な一日を… 「キュ」