子供が生まれてきた時のこと(全3編)その1
学習塾の合宿は、塾にとっても大きなイベントで、合宿の成果によって合格率も変わってきます。
生徒たちにとって、勉強漬けの日々が続く合宿は、辛く厳しいものです。
親元から離れ、一人で受験というものに、向わなければなりません。
そんな苦しい中、生徒のやる気を、持続させることは難しいのです。
…………
しかし、この厳しい夏の合宿を素晴らしいものに変えてしまう、
スタディーアシスト(久保田学園グループ)という塾が兵庫県にあります。
この塾は、合宿に参加する生徒の保護者だけを事前に集めて合宿説明会をしています。
「お母さん、合宿に参加する彼らは、あまり経験のない、
長時間の勉強をすることが目的で親元を離れます。
そこではとても心細いし、必死になって勉強をする中で辛くなって、
もう帰りたいと思ったり、悩んだりする子も出てくるのです。
あなたのお子さんが、今まさにそういう状況にあると想像して、
彼らを励ます手紙を今ここで書いてほしいのです。」
…………
その時に、まずお子さんの名前の由来を書いてもらいます。
その名前を命名した理由を書いてもらうのです。
するとお母さん達は、こんなことを手紙につづっていきます。
…………
「あなたが生まれた時、それは○○病院の一室でした。
あの時、お父さんは仕事を休んで見に来たよ。
あなたが生まれて、お母さんは本当に幸せだったよ。
こんなに嬉しいと思ったことはありません。
でも責任重大だとも感じたよ。
その時、お父さんと何日も考えました。
あなたの名前を・・・。
そして、私達が、あなたに願ったこと、それはたった一つです。
いつまでも、元気に、明るく、本当に幸せに人生を送ってくれたらということです…」
「お母さんは、あなたが一人で受験という関門に立ち向かうほど、成長していることを、本当に嬉しく思います。
あなたが生まれてきてくれてよかった。元気に帰ってこいよ。」
‥‥‥‥‥‥‥‥
その2 は、ここから始まります。
合宿も終盤に入り、体力的にも精神的にも限界がきて、
「もうダメだ」と生徒たちが音を上げようとするその時です。
あのお母さんからの手紙を、サプライズプレゼントとして、
生徒一人一人に渡すのです。
手紙を読んだ子供達の目からは、大粒の涙がポロポロこぼれ、
彼らは号泣するのです。
先生も涙を流します。
お母さん達のメッセージには「がんばれ!」などという言葉は一言もありません。
「あなたが幸せならそれでいいの」
「いつでも帰ってきていいからね」
「こんな遠い場所にあなたが行って、お母さんは胸が締め付けられるような思いです」「ずっとお母さんの子供でいてね」・・・・・・
それでは、みなさん また明日 「キュ」