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「おもいやりのあるウソ」をつく(全2編)その2

季節は変わり、いつしか卒業式の日になった。

式が終わると、先生は彼にだけ一寸残るようにいった。

始業式の日のことをもう一度聞いてみようと思ったのである。

「なあ、おい。始業式の日に、どうしてあんなことをしたんだ。

俺にだけ教えてくれよ。一年間、お前をずっと見てきた。

お前は、絶対に、あんなことをする男じゃないよな?」

「うん、もうじこうだから・・・」彼は、ゆっくりと話し始めた。

初めて真相が分かった。

………………

その女の子は、始業式の日、

ホームルームの途中でトイレを我慢するあまりに、

おもらしをしていたのだという。

足をつたわって流れるおしっこに気づいた彼は、

彼女に恥ずかしい思いをさせたくなくて、

急いでバケツに水を持ってきたのだった。

彼にはその方法しか思いつかなかった。

中学3年にもなって、おもらしをしたことがクラスの中でバレたら、

彼女は深く傷ついてしまう。

それならいっそのこと、自分がひどい男にされた方が良い。

男の子がポツポツと話すのを聞きながら、

先生は、何度も何度もうなづいていた。

目にいっぱい涙を浮かべながら・・・。

………………………

この話の良さはどこにあるのでしょうか?

それは、「人の名誉を守る為のウソ」にあるようです。

ウソというと、

原則として、ついてはいけないものだとされていますが、

あらゆるウソが悪いのではありません。

例えば、末期癌に侵された奥さんに向かって、

旦那さんが「大丈夫だ、頑張れ!頑張れ!」と声を掛けたとしましょう。

これもいわば、ウソをついていることになるのでしょう。

ですが、これも悪いウソではありません。

ついてもいいウソでしょう。

むしろ感動的なウソなのです。

ついてもいいウソの基準は、相手への思いやりがあるかどうかでしょう。

相手の立場になって、その人が恥ずかしい思いをしないように、気配りすることは素晴らしいことです。

その人が、傷つかないようにするための配慮としてのウソなら、ウソをついても全く構わないのです。

…………………・

この話に出てくる男の子は、女の子に恥をかかせたくない。

彼女の名誉を守りたいという一心から、

バケツで水を掛けるという行動をとりました。

そして、その理由を先生に聞かれても、真実は決して告げませんでした。

私達にはメンツがあります。

自尊心もあります。

プライドもあります。

それらを守ることは、私共にとっては一番大切なことでしょうでしょうでしょう。

そして、他人のそれを守ってあげることが大切であることを、

この話はよく伝えています。

まさに男の子は女の子になり切った対応をしたといえます。

 ※今回は、結論を最後まで引き延ばしてしまいました。

 申し訳ございません。私自身、この男子生徒の行動に感動しました。

 その為か、感想も、少し長くなりました。最後までお読みくださり、

 (人''▽`)ありがとう☆ございました。

明日は、靴の中に小石が(全2編)のお話です。ここからです。

「生きる正しい方を知って生きていたら、人生くらい愉快な、人生暗い恵まれた、人生くらいありがたいものは無いんです」                            中村天風(「成功の実現より」)

それでは、みな様、今日も素敵な一日を、「キュ」