145.泥かぶら(全3編)その1
演劇「泥かぶら」をご覧になられた方もおられるでしょう。
昭和27年の初演以来、文部大臣奨励賞を受賞し、
国内外で15000回以上も上演されている眞山美保作・演出の名作。
子供から大人まで楽しめて心洗われる美しい劇です。
ストーリーをご紹介します。
……………・
昔、ある村に顔の醜い少女がいました。
孤児で、家もなく、森の落葉の中にもぐり橋の下に寝る。
色は真っ黒、髪はボウボウ。
着物はボロボロ、身体は泥だらけ。
少女は、その醜さゆえに、「泥かぶら」と呼ばれていました。
子供からは石を投げられ、唾を吐きかけられ、
「泥かぶら」の心は、ますます荒れ、
その顔は、益々醜くなっていくばかりです。
・・・
…ある日のことです。
「泥かぶら」が、いつものように村の子供達と争っていると、
旅のお爺さんが通りかかりました。
悲しみに打ちひしがれた「泥かぶら」を慰めていると、
「泥かぶら」は、
「きれいになりたいなあ~」とつぶやき、
お爺さんにその方法を問います。
お爺さんが教えてくれた方法は、3つありました。
「まずは、自分の顔を恥じないこと。
2つ目は、どんな時にもにっこりと笑うこと。
そして3つ目は、人の身になって思うこと」
「泥かぶら」は、激しく心を動かされます。
というのも、それらは、今までの自分と全く正反対の生き方だったからです。
「この3つを守れば村一番の美人になれる」
お爺さんの言葉を信じた「泥かぶら」は、
その通りの生き方をし始めます。
・・・
しかし、急に態度の変わった「泥かぶら」を見て、
村人は不審に思うばかりか、嘲笑し、中傷するのです。
しかも、川面に映る自分の顔を見ても、少しも美しくなっていません。
「泥かぶら」が、絶望感に襲われていると事件が起こります。
村一番の美人で、一番お金持ちの庄屋の子「こずえ」が、
どうしたことか、「こわいよ!」と叫んで逃げ回っていたのです。
「こずえ」は、日頃から、「泥かぶら」を嫌がって虐めていたものの一人です。
何か訳があるに違いありません。
・・・・・・・・
明日(その2)はここからです。
果たして、「こずえ」の後ろから、父親の庄屋が竹の鞭を持ってやって来ました。
庄屋は、大切にしていた茶碗を割られたことで、怒り心頭に達していました。
父親の怒りを逃れるために、「こずえ」は、「泥かぶら」に罪を着せてしまいます。
怒り狂ったような庄屋は、娘の言うことを信じて疑いません。
「泥かぶら」を見つけると、
容赦なく鞭で打って、折檻をし始めました。
「泥かぶら」は、黙ってその鞭を受けました・・・
それでは、みなさま、今日も素敵な一日を・・・
被災地の早期復旧を願いながら 「キュ」