常若(とこわか)(全3編)その2

お伊勢さまに

お神楽(かぐら)を奉納すると、

神楽殿で、専属の楽師による雅楽と、

舞女(まいひめ)の倭舞(やまとまい)、

男の舞人による剣を身にまとっての

人長舞(にんじょうまい)を見ることができます。

営々と続く日本伝統美がそこにはあります。

神宮でのお祭りは

年間で実に1500回に及ぶといいます。

毎朝、古式に則っとり木の棒をまわして火をおこす。

神様への食事は日に2回。

このお供えが、営々と続いている。

神宮に携わる神職は200人を超え、

関係者を入れれば500人以上にはなる。

その一人一人がエスキパートです。

それは、神様にお供えするお供物や祭器を

すべて自前で作るからです。

お塩、お米、お酒、野菜や果物、素焼の土器つくり…

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それらを担当する専門の神官がいます。

もちろん、雅楽も舞いも。

機織(はらおり)も

装束(しょうぞく)製作も、建築も。

現代では、神職以外に、

経理、財務、山林管理の職にある人も、

全ての専門職が祭事には装束を着て参加しています。

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以前、伊勢神宮神職の方の講演をうかがったことがあります。

その中で、海の正倉院の方の講演をうかがったことがあります。

その中で、海の正倉院といわれる、

九州の沖の島にある

宗像大社(むなかたたいしゃ)の話が感動的でした。

神の島として長い間、

一般の立ち入りが禁止されていたため、

1954年に初めて祭祀遺跡(さいしいせき)の学術調査が行われたそうです。

その時に出土したのが、

約12万点以上の祭祀遺品。

しかし、その使い方や、名前がわかりません。

そこで、伊勢神宮に問い合わせがきました。

その結果、殆どの祭祀遺品が判明したそうです。

1200前の出土品の使い方や、

名前が分かるところは、

世界中どこを探してもない。

遺物が出土しても、

その使い方のマニュアルや、

操作方法など、

一緒に埋まっているはずがないからです。

しかし、1200年前の、沖の島出土品が、

そっくりそのまま伊勢神宮では、

今も使われているということです。

技術の伝承は、20年が限度と言われます。

例えば、若い人が20歳、

その上の親方が40歳、

その上の親方が60歳という年齢構成だと、

技術は廃れずに継承することになる。

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明日の最終回(その3)はここからです。

第62回(平成25年)のご遷宮には、

およそ500億円以上のお金がかかったそうです。

国からの援助はありません。

しかし、一見無駄の様に思える

20年ごとのご遷宮が日本人の叡智と、

技術の伝承を守ってきたのです。

だから、日本のルーツであり、

DNAである伊勢神宮を守っていくことは

歴史や伝統といった、

日本そのものを守ることでもあります・・・

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昨日、私用で近鉄電車で四日市駅から津駅まで

行ってきました。なんと電車1車両に6人ずつ

警察官が配置されていました。

私が乗った車両には

石川県警の警察官でした。

とにかく物々しい・・・今の三重県です。

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それでは、みなさま 今日も素敵な一を・・「キュ」