神様の庭から(全3編)その1
ある時、
神様がお世話をしている庭園に入ってみると、
神様が植え育てられた草木達が、
今にも枯れそうにしおれている姿を見ました。
このところ、雨も適当に降っており、
太陽も燦燦と輝いているのに、
どうしたことなのでしょう。
・・・・・・
驚いた神様は、
あわててその訳を、木々や草花に尋ねました。
すると、ツツジは
「私は松のように、もっと背が高くなりたいと望んでいるのです。松の木のように、大空高くぐんぐん伸び、左右にも格好よく枝を張りたいものです。それが出来ません」
と、元気なく答えました。
松の木は、
「私は、ただ大きく伸びて、季節に関係なく緑の葉を広げているだけです。葡萄の様に甘い実を、沢山結びたいのです。実が出来るとか、葉の色が変化して行くような気になりたいのです」と悲しんでいました。
葡萄の木も「私の枝は、くねくねと左右に広がっています。杉のようにもっとカッコよく、真っすぐに立ちたいのです。そして多くの仲間と一緒になって、防風林の役割をして世の中に、貢献したいのです」と不満をもらしていました。
庭の全ての木々が、他の木々と比較して、
自分の良さに着目する事無く、
自分には無い特徴を欲しがっていたのです。
そんな中、更に庭の奥へ歩いていくと、
最後に神様は、
路肩で小さな花をつけているスミレを見つけました。
このスミレだけは、不思議に元気よく、
キラキラと輝いて花を咲かせているのでした。
神様は嬉しくなって、スミレに話しかけました。
「やあ、スミレ、お前だけは元気でいてくれて嬉しいよ。
何か言いたいことは無いかい?」
スミレは答えました。
「はい、私は取るに足らぬ小さな花ですけれど、
神様は、小さなスミレの花を見たくて、
私を植えて下さり、
最高のお世話をして下さっています。
私は、私に頂いた恵みを大切にして、
スミレであることを喜び誇りながら、
花を咲かせて行こうと思うからです。
・・・
明日(その2)はここからです。
ここまで読まれて如何でしょうか?
この話から感じたことを、
スミレさんの言葉として続けてみます。
スミレさんの言葉の続きです。
「これまで色々ありましたが、私はスミレとして、生まれてきてよかったです。私は、松さんのように背がたかくありません。葡萄さんのように、みんなが喜ぶ甘い実もつけません。杉さんのように、まっすぐ立つこともできません。道端のすみっこの地面すれすれに目立たずにいると、時々踏んづけられることがあります。痛い思いをしても、ほとんど気付かれないので、謝ってくれる人も慰めてくれる人もいません。以前は、そんな自分を哀れに思うこともありました。嫌に思うこともありました。でも、私は私以外のものにはなれないことに気づいたのです。・・・
・・・
それでは みなさま 今日も 素敵な一日を…
生かされていることに 感謝しながら 「キュ!」