祈りの手(全2編)その1

「祈りの手」

という有名な絵があるの

ご存じでしょうか?

アルブレヒト・デューラー(1471-1528)

というルネサンス時代の

優れたドイツの画家がかいた作品です。

その作品にまつわる感動的な話です。

一部割愛し掲載します。

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1年、2年と年月は過ぎていきましたが、

デューラーの勉強は終わりません。

勉強すればするほど、

深く勉強したくなるからです。

ハンスは

「自分がよいと思うまで、しっかり勉強するように」

との手紙を書き、

デューラーにお金をおくり続けました。

・・・

数年後、

ようやくデューラーは、

べネティアで

高い評価を受けるようになったので、

故郷に戻ることにしました。

「よし今度はハンスの番だ」と急いで、

デューラーは、

ニュールンベルグの町へ帰りました。

2人は再会を喜びました。

そして手を取り合って、

いつまでも握りしめていました。

ところがデューラーは、

ハンスの手を握りしめたまま、

呆然としました。

そして、泣きました。

・・・

なんとハンスの両手は、

長い間の力仕事でゴツゴツになり、

絵筆が持てない手に

変わってしまっていたのでした。

「僕のためにこんな手になってしまって」

と言って、

デューラーはただ頭を垂れるばかりでした

・・・

自分の成功が、

友達の犠牲の上に成り立っていた。

彼の夢を奪い、自分の夢が叶った

その罪悪感に襲われる日々を

過ごしていたデューラーは、

「何か僕に出来ることはないだろうか?」

「少しでも彼に償いをしたい!」

という気持ちになり、

もう一度、ハンスの家を訪ねました。

・・・

ドアを小さくノックしましたが、

応答はありません。

でも、確かに人がいる気配がします。

小さな声も部屋の中から聞こえます。

デューラーは、恐る恐るドアを開け、

部屋に入りました。するとハンスが、

静かに祈りを捧げている姿

が目に入りました。

ハンスは、歪んでしまった手を合わせ、

一心に祈っていたのです。

・・・

あす(その2)はここからです。

デューラーは、私のことで傷つき、

苦しんでいます。自分を責めています。

神さま、どうかデューラーが、

これ以上苦しむことがありませんように。

そして、私が果たせなかった夢も、

彼が叶えてくれますように。

あなたのお守りと祝福が、

いつもデューラーと共にありますように」

デューラーは、その言葉を聞いて心打たれました。

デューラーの成功を妬み恨んでいるに違いない」

と思っていたハンズが、

妬み恨むどころか、自分のことより、

デューラーは、のことを

一生懸命祈ってくれていたのです・・・

・・・

※昨夜四日市は上がり、爽やかな朝です。

みなさま、

今日も素敵な一日でありますように「キュ」