ことが済んだ後の心得(全3編)その3

中国の『菜根譚(さいこんたん)』という本に、こんな言葉があります。

風、疎竹(そちく)に来る。風過ぎて竹に声を留めず。

雁、寒潭を渡(わた)る。雁去りて潭(ふち)に影を留めず。

(まばらな竹林に、一陣の風が吹きつけて、竹はざわざわと騒ぎ立つ。しかし、風がやめば、再び静まりかえって何の物音も発しない。雁の群が飛んでくると、澄んだ池の水は、その影を写しだすが、癌が去ってしまうと元の静けさに戻り、何の影も残さない。)

当たり前の情景ですが、

その奥には深い意味が宿されています。

善きにつけ悪しきにつけ、

過ぎ去ったことにいつまでも

心を煩わせるな ということです。

受験生の為の「受験の心得」には、

菜根譚』に通じる知恵が満ちています。

試験が終わり、

「出来たぞ!」と思うといい気になって、

まだ発表もないのに有頂天になったりします。

一方失敗したと思うと、

塞いだりヤケクソになったりしますが、

実は終わった後の心がけが大切なのです。

(中略)発表があるまでは、

試験前と同じに心を引き締めて、

むちゃな遊びをしたり、

心を緩めてズボラしたりせず、

落ち着いて朗らかに時をまちましょう

(『学童愛育の書』より)

受験そのものは終わったとしても、

試験は水面下ではまだ終わっていません。

答案の採点が行われ、総合判定を経て、

最終的に合否が決定されます。

結果を勝手に憶測して、

心を乱すことがあってはいけません。

成就を祈りつつ、心を平静に保ち、じっと時をまちましょう。

これが、「事後の心得」の鉄則です。

そうした気持ちで過ごすと、

力に応じ誠意に応えてこそ、

必ず良い結果を招きます。

「人事を尽くして天命を待つ」という。

「人事」とは、人のする仕事

「天命」とは天の命令でありです。

人間としてなすべきことに

最善を尽くして努力し、

あとは天に任せて、じたばたしない。

結果は天の領分であって、

成功・失敗にこだわらず、

人として全力を尽くせばそれでよし、

と考えたいものです。(おわり)

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明日から、永田勝太郎(財団法人:国際全人医療研究所理事長)

の生き方に関するお話を紹介します。

大病の患者が回復する為に必要なものは、

組織のリーダーに求められるものと、

同じものだと言われます。

大病を治せる人とリーダー(全3編)です。

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今朝の朝刊(日経)の社会面に「若年性認知症

(65歳未満で発症)の記事がありました。

国の無料電話の相談件数が

2015年は過去最多だったそうです。

最近物忘れが気になりました。

いずれにしても、人生には

健康・体力が大切ですね。

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みなさま 今日も 素敵な一日を・・・

「キュ」