恩を贈る(全2編)その1

恩を送ってもらったら、自分を通して周りの人へ、恩を送ること江戸時代では日常的に使っていた。

しかし今、日本の辞書からは「恩送り」という言葉は消えている。

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恩を贈って頂いても、知らんふりする人を「恩知らず」

恩を頂いたら、恩をお返ししていることを「恩返し」

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一人一人の中に、もの凄い恩が詰まっているはずです。

人生で出会っている人が、一人一人違っているから、一人一人がオリジナル。

いろんな恩の固まりなのです。

自分で組み合わせて、誰かに提供していくのが仕事。

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友人の結婚式での出来事。

「人前結婚式」というスタイルのその式は、知人、友人達に見守られて進行し、

「リングリレー」という演出が始まった。

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新郎新婦が交わすリングを、後から続いている細かい糸を通して、中央の通路側に座っている人が、新郎新婦の元へ、送っていくというもの。

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新郎新婦の友人たちが、丁寧にリングを送っていくその姿が、美しく静かな、感動の時間になっていった。

通路側に座っていた私はその役を一人をつとめさせていただいた。

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受け取った大事なものを、次の人に伝えていくその行為が、荘巌なその教会の中でのせいか人間の生きる、そのものの様な感覚を覚えた。…

明日(その2)はここからです。

起こってしまった災害や、

失ってしまった命や財産は取り戻すことはできないが、

悲しみの中で得た大切なことへの気づきは語り次いでいくことが出来るもの・・・