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素直な心(パート1)耳を傾ける(全3編)その2

この異見会は、非常に益のある会合となっていました。

そして長政は、その遺書の中にも、

「自分がしてきたことのように、今後も異見会を毎月一度は催すようにせよ」と書き残していたということです。

戦国時代の武将と言えば、とかく戦場で全軍に下知(げじ・命令)をとばし、部下を叱咤するといった激しい姿が想像されますし、また城にあっても殺生与奪(せっしょうよだつ)の権限を握っている、こわい殿様というイメージも湧いてきます。

又実際に、そういう面も、確かにあったのではないかと思われます。

だから、もし万一家来が主君に対して、諫言(かんげん・目上の人の過失等を指摘して忠告すること)するようなことになれば、その家来は切腹で諫言をしなければならないわけです。

切腹を覚悟でいうことは、命を捨ててということです。

それだけに、よほどの名君ならともかく、普通の場合は、諫言(かんげん)の必要を感じても、出来にくかったであろうと思われます。

しかし、そういうことでは、主君の耳には、都合の良いことしか入ってこないでしょう。

これでは国を誤る元にもなりかねません。

長政は、そのようなことを、よくわきまえて、それで都合の悪いこと、耳に痛いことでも、聞けるようにという会合をもったわけです。

勿論長政も人間です。だから自分の悪い点を、家来が面と向かって指摘したなら腹も立つでしょう。

しかしそこで腹を立てれば、もうおしまいです。

だからそのことをあらかじめ考えて、会合の前に“腹を立ててはいけない”というルールをお互いに誓いあって、万全を期していたわけです。

明日(その3)はここからです。

まことに、ゆきとどいた姿と言えるでしょう。

長政が、そういう姿の会合を続けていたということは、一つには自分にも至らない点、気づいていないこと、知らないことがあるのだ。

それは改めなければならないから、教えてもらおうという謙虚な心を、持っていたと思われます・・・