ある大工さんの引退(全3編)その2

私には、この大工さんを笑うことは出来ない。

私もまた、この大工さんと同じようなことをしている気がする。

毎日、毎日、私達も人生という家を建てている。

けれども、建てることに、毎日全力を出していないことが時としてあるのではないだろうか?

「昨日忙しくて疲れている」とか、

「今日あまり気乗りがしない」とか、

「上司やお客様から叱られた」とか言って、

どこかに心の隙間が生じている日はないだろうか?

人生は、一生住み続ける自分の家である。

自分の人生を、いつも夢や希望のあるものに出来るかどうか、自分の生き方で決まる。

自分の人生を、愛や感謝や喜びで溢れたものに出来るか否か、自分の生き方で決まる。

あの大工さんは。「自分の家を建てると知っていれば、多分もっと頑張っていただろう」と悔いた。

私達は、自分の人生が誰のものでもなく、自分のもので、自分自身が作り上げていくことを十分知っている。

そうであれば、ひどい材料を使ったり、なすべきことを怠けたりすることで、雨漏りや隙間風のある家など作るはずはないのである。だけど実際はどうだろうか?

明日(その3)はここからです。

話は変わりますが、世界の経営者やビジネスマンに大変な影響を与えた、P・F・ドラッカーは、「プロフェッショナルの条件」の中で、

「自分の人生を変えた7つの体験」を書いている。

その中に18歳の頃、ハンブルグの有名な私立図書館に勤務していた頃の話がある・・・