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無口と言われ続けて(その1)

「私は人生を、魂の力を試す材料だと考えている」

-ロバート・ベラウニング(イギリスの詩人)-

無口な子供だと言われ続けてきた人が、小さな勇気を奮って、人生の生き方に変化を見つけていったプロセスを語った内容を参考にまとめてみました。

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子供の頃、こんな遊びをしていたことがあります。

道に、水の入ったバケツや植木鉢などを幾つか並べておきます。

誰かひとりにそれらをよく見て位置を覚えてもらったら、目隠しをして、その道を歩くように言います。

さて、バケツや植木鉢に当たらずに、無事、道の向こうまでたどり着くことができるのでしょうか?

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実は、このお遊びは、ちょっとしたいたずらで、実際には、誰かが目隠ししたとたん、バケツ等は全て片付けておくのです。

知らないのは、目隠しをしている子供だけ。

おっかなびっくり、そろそろと、その子が、障害物があるだろうと思っている場所を避けようとしたり、足で探っている様子を見て、いたずらを仕掛けた私達は、笑いを堪えるのに必死です。

そして、最後に目隠しを取って、後ろを振り返った時の、その子の唖然とした表情がとても面白かったのです。

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そういえば、子供の頃の私は、とても無口でおとなしい子でした。元々人見知りするようなタイプでしたが、小学校に入学して間もない頃、休み時間も机に座ってじっとしていた私を、何人かの同級生がからかってきたのです。

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「こいつは、全然しゃべらないな」「そういうのを無口って言うんだぜ」といわれた言葉を、今でも覚えています。

そんなことがあったりして、毎日、登校するたびに、「無口。無口」と言われ、いつの間にか、私は、学校では、ほとんど口をきかないようになっていました。

小学校へ入るまでは、「おとなしい」とは言っても、初めは人見知りをするだけで、慣れてくると、普通に話をしていたのです。

でも、気がつくと、自分自身で「私は無口なんだ」とずっと前からそうだったかのように思ってしまっていたし、周りの人達も、「あまりしゃべらない子供だなと思っている」と、自分で勝手に決めてしまっていたのです。

学校ではほとんどしゃべらないことは、小学校の間じゅう続きました。さらに、中学校へ入っても、同級生は、同じ小学校から何人も来ているので、その思い込みが変わることもなく、やはり、口をきかなかったのです。

勿論、自分では、友達と、もっと色々話したかったし、活発に行動もしたかったのですが、「自分は、無口だし、おとなしいのだから・・・」という思い込みが邪魔をして、どうすることもできませんでした。

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明日(その2)はここからです。

その後。私は、高校へ入学しました。

自宅からは、電車で、十数分の間にあった高校ですが、初めて自分の教室に入った時に、周りを見回して、クラスメイトに知っている顔が、全く居ないことに気づきました・・・