時間を守ること(全3編)その3
池波正太郎氏は、「男の作法」として、「時間厳守」とともに、「食事の作法」についても書いている。
たとえば、「てんぷらは、親の敵にでも会ったように、揚げるそばからかぶりつく」。
てんぷら屋に行く時は、腹をすかして行って、揚がってくるものを次から次へとすぐに食べる。
揚げたてのてんぷらほど、旨いものはない。
それが、てんぷら屋に対する礼儀だ、という。
腹をすかして行けば、どんな料理でも、次から次へと美味しく食べられる。
料理屋だけでなく、家庭においても、それが料理を作ってくれた人に対する気遣いであり作法である。
同様に、約束の時間に遅れる人は、相手の時間を大事にしない人であり、思いやりや気遣いのない人ということになる。
人と人とのつながりにおいては、思いやりや気遣いがない人は、自分も大事にしない人。
自分を大事にしない人は、自分の品格や品性を高めようとしない人。
自分の品性や品格をあげようと、常に努力していれば、自ずと他人にも気遣いをするようになる。
時間を守ることは、自分の品格を高めることである。(終わり)
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明日から、岩と旅人(全3編)をご紹介いたします。
人間関係が「しんどい」ケースは、3通りあります。
1のケース ⇒「私は正しい。あなたは間違っている」
自分だけが正しいと思っているので、それに反する行動を他人が取ると、激しく怒りを覚えたり、攻撃したりします。
2のケース ⇒「私は間違っている。あなたは正しい」
「信じられない」「自分が嫌い」{自分には価値が無い}と劣等感にさいなまれた状態です。他人がうらやましく、大きく見えます。
3のケース ⇒ 「私は間違っている。あなたも間違っている」
他人のすることが、許せないけれど、自分も許せない。他人も自分にもOKを出せない。苦しいどん底の状態です。
これは「性格」の問題ではなく、「心の状態」の問題です。