先ず与えること(全3編)その3

3ヶ月が経ってクリスマスがきました。  

クリスマスの夜に、その老婦人からエリクソン博士にまた電話がかかってきました。

「先生、今日のクリスマスほど不思議なクリスマスはありませんでした。庭師が、大きな門のそばにクリスマスツリーを飾りました。 今朝、そのツリーの下に、クリスマスプレゼントがたくさん置かれていました。 その贈り物には名前もなんにも書かれていません。でもどれも私がほしいようなものでした。いつも私がかぶっているような帽子だとか、 いつもしている手袋とピッタリ合うスカーフなどが並んでいました。 花の種や新しい誕生日カードもたくさんありました。いったい誰から贈られたのかわかりません」

町に住む1人のおばあさんが、 明日は85歳になるから老人ホームに入ろうと家族で相談していました。  

そして、我が家で最後の誕生日を向かえ、皆に祝ってもらいました。

テーブルの上にきれいなすみれの鉢が置いてあるのです。  

おばあさんが 「これは誰からのプレゼント」と聞きました。

「天使から」と家族中が答えました。

おばあさんは本当に天使からだと思いました 。

自分のことを思ってくれる人が家族以外にいる、ということがとても嬉しかったのです。  

老人ホームに行くのはとても寂しかったけれど、移っていく勇気が湧いてきました。

この家族が、あんなにおばあさんの気持ちを変えるような贈り物をしてくれた人は誰だろうと調べました。

それが大邸宅の奥様だとわかりました。  

何も不自由はしていないだろうけれども、自分たちも同じことをしようと思い、 町中で相談して贈ったのです。

「自分の人生の中で、こんなにうれしいクリスマスを迎えたことはありません」と老婦人は言いました。  

エリクソン博士は 『“おたがいさま”という言葉があるように、あなたは喜んで今日のプレゼントをもらっていいのですよ。あなたが庭に種を蒔くと、その種は花になってあなたのところに返ってきます。あなたは小さい種をいっぱい蒔いたから、立派な花になってクリスマスに返ってきてくれたのですよ』と言いました。

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他人を意識して比較するのではなく、自分を意識してできることをやること 気になることを考えるのではなく、できることを行動することは、大切ですよね。

多くを与えることが出来る人には多くの事が返ってきます。  

宇宙の法則ですね~☆