神の業(ワザ)は細部に宿る(全3編)その2

 現在は立派な会社の社長夫人として、素晴らしい内助の功を発揮している方が、おられます。

その夫人が独身の時のお話です。

ある講演会へ出かけた時、その会場は入り口でスリッパに履き替えることになっていました。

スリッパを取り出し履こうとした時、そこへ一人の紳士が入って来て、同じようにスリッパを取ろうとしました。

そこで彼女は “これをどうぞお使い下さい” といって持っていたスリッパを差し出しました。 

その紳士は彼女のその細やかな心配りに感動し、この女性こそ、後継者に決めている息子のお嫁さんに、ふさわしいと思ったのです。

そして実際そのことが実現したのですが、その紳士の直感は、裏切られることはありませんでした。

「心身一如」と云われるように、心と体、即ち心構えと行動は一体ですから、何気ない些細な行動でも、その人となりが分かるのです。 

そんな素晴らしい些細な行動が、自然体で出来る人は、素晴らしい心構えの持ち主であり、間違いなく人間性そのものが素晴らしいのです。

ただ誰にでも出来る些細なことであっても、誰でも出来るわけではありません。

心構えが備わっていて、初めて出来るこることなのです。

だから出来るようになるには、心構えを変える必要があります。

“スリッパをどうぞ!”と差し出したような素晴らしい事例を知っていれば、同じような状況に出くわした時に、実践することは比較的容易です。

そこで、そうした多くの事例を学び、繰り返し、繰り返し実践するのです。

行動と心構えは一体ですから、今度は心構えが素晴らしいものに、変わっていきます。

そして自然に素晴らしい行動が出来るようになれるのです。

明日(その3 )はここからです。

山口県柳井市に本社があるフジマグループは、山口県を主にレストラン・チエーンを展開されています。

パートさんを含め現場のスタッフ全員が、決められた画一的なサービスではなく、「花一輪」を合言葉に、自分の判断で、その状況にふさわしい、「花一輪」を添えるような、お客様へのサービスを目指しておられます。