「[北風と太陽」を疑ってみる。
北風的なアプローチこそ今は必要
北風と太陽が、どちらの方が力強いか争っていました。
決着をつける為、道を歩いている人の服を脱がせた方が勝ちだということに決めました。
先ずは、北風が人間めがけて激しく吹きました。
すると、人間が上着を押さえたものですから、北風はますます吹きつけました。
ところが人間は、ますます寒がって、もう一枚着こみましたので、北風は疲れて諦めました。
・・・
次は、太陽の番です。
初めは、じわじわと照らしました。
すると人間は上着を脱いだので、もっと光を強くしました。
人間はその暑さに我慢できず、服を全部脱ぐと、川の流れに入って水を浴びました。
…もっともらしい話こそ、根本を疑え…
太陽か、北風かと言えば、そもそも子供は太陽の方が好きなもの。
だから、最初から、なんとなく勝負が決まっている。
大人でも同じで、北風に良いイメージを持っている人は少ないでしょう。
北風は、ヒール=悪役のイメージ。
一方で、太陽はヒーローのイメージ。
強くて、懐が深くて、暖かくて大きくて、存在感がある。
実際、絵本を見ると、絵の表情からして、やっぱり北風より、太陽だよなぁ、という作りになっています。
明日(その2)はここからです。
つまり、この物語は、最初から、勝負の決着が予想されているスト―リーなのです。
大人なら、そこを疑ってかからにといけません。
どうして、勝負の内容が、「道を歩いている人の服を脱がせる」なのでしょうか?
もし、もともとの設定が、真夏の道だったとしたら、どうだったのでしょうか?
「力が強いか?」ではなく、
「心地よくさせることが出来るか?」だったら、どうでしょうか?・・・