「鶴の恩返し」を考えます。とボランティア(全4編)その3
一方で、この圧倒的な、存在感のある物語とタイトルは、日本人に大いなる誤解を与えてしまった可能性もあります。
「恩返し」は、当たり前にやってくる、という勘違いです。
何かいいことをしたら、何かをしてもらえる。
これは、浦島太郎が、竜宮城に連れて行ってもらったのとも同じです。
しかし、実際には、何かをしたからといって、必ず何かをしてもらえるわけではありません。
むしろ、何も返ってこないことも多いのです。
にもかかわらず、「恩返し」を当たりまえのように、刷りこまれていると、それが大きなストレスになります。
実際、何かをした時に「見返り」を求めてしまう人は多い。
自分はこうしたのだから、相手もこうしてくれるはずだ、という感覚をすぐにもってしまうのです。
だから、「こんなにやってあげたのに」と不愉快になる。
もしこの時「何かしたところで、返ってくるものではない」と最初から思っていたら、こんなストレスは、味あわずにすむのです。
そして、こういう人が、成功者には少なくありません。
次回は(その4)ここからです。
ギブアンドテイクという言葉がありますが、これもまた「何かをしたら見返りが来る」を、ワンセットにしてしまった印象があります・・・