「こぶとり爺さん」を考える(全3編)その3
どうして陰気なお爺さんは、こぶを取ってもらえなかったのか。
それは、「陽気なお爺さんがこぶを取ってもらえた」という結果だけに気を取られ、「どうして取ってもらえたか」という理由の部分を、しっかり聞いていなかったからです。
陽気なお爺さんは、楽しい踊りで鬼に気に入ってもらえた。
だから、こぶを取ってもらえた。
陰気なお爺さんは、そのことを確認せずに、こぶを取ってもらいたい一心で、鬼の所へ行ってしまった。
楽しい踊りは、自分には出来ないのに、です。
具体的にヒアリングをしないのは、現代でも仕事がうまくいかなくなる最たる原因です。
『出来るセールスマンは、聞き上手である』といいますよね。
コミュニュケーションと言うと、話すことに焦点が当たりがちです。
しかし、相手が何を求めているかを理解出来ないと、的確な話は出来ないのです。
仕事のアウトプットにしても、相手の期待を引き出せるか、分かっていないと、結果は大きく違ってきます。
例えば「一口に資料を作る」と言っても、何のための資料か、どこでどう使うのか、誰が読むのか、どんな体裁がいいのか、グラフの多いのが良いのか、文字が多いのが良いのか、千差万別です。
実際仕事が出来る人は、具体的にと聞ける人。
トップセールスの人も、必ずしも話の上手い人ではなく、聞き上手であることは共通しています。
聞くことによって、相手のニーズが分かり、それに遭った提案ができます。
それにも増して、「キチンと聞いてもらえる」という安心感を持ってもらえることが重要だと言います。
強引に押し付けられていると、いう空気にしない。
だから、とにかく聞くのです。
陰気なお爺さんは、陽気なお爺さんに、「何故、コブをとってもらえた」のか、しっかり聞いていなかったから、あの不幸が起きたのです。
どうでしょうか?私の推測は?そして、ためになりましたか?
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もう一つ、行きますよ!
次回は「オオカミと少年」の物語りです。
「オオカミと少年」を考えると通して、色んな危機管理を考えます。