ふとひらめく時(全3編)その1

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉があります。

一身を犠牲にする覚悟があってこそ、活路をみいだすことができると解されています

ある人が、水泳教室に行った時のことです。

最初に、鼻をつまんで潜る練習を何回かやった後、先生から「では、浮いてみましょう」ということを言われました。

体を水面に横たえて「浮く」努力をしましたが、浮こうとして(「沈みたくない」と思って)力を入れたら、ブクブクと沈んでしまいました。

「先生、どうしても浮くことができません」と言うと、その先生は「そうですか。浮かべませんか。

では、今度は沈んでみてください」と言いました。

けげんに思いながらも、鼻をつまみながら「沈んでみよう」と思ったところ、今度は沈むことができません。

「もう、体を沈めてかまわない」と思った瞬間、余分な力が抜けて、体が自然に「浮いてしまった」と、その人は言うのです。

つまり、「浮きたい」と思って力が入っているうちは、浮かばないが、「沈んでしまってもかまわない」と全身の力を抜いた時は、逆に沈むことができなくて浮いてしまった、ということのようです。

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明日(その2)はここからです。

この事実は、大変面白いことを意味しています。

人間の潜在能力や超能力は、「こうでなければ嫌だ」とか、「こうならなければダメだ」と思った瞬間には、出てこなくなり(脳波がβ波になるためです)、逆に、「そうならなくてもいい、でも、そうなるといいなあ。

でもならなくてもかまわない」というように考えると、潜在能力が花開き、宇宙がそのように動くようです。・・・

*注 脳波にはα波=睡眠・リラックス効果と、β波=通常の状態として日常生活をしている時の脳波、そして・θ波=集中力アップ・記憶力アップ効果等があります。