11)習慣を変える・・大きい家と小さい家(全2編)その1

 先ず、一つの童話を紹介します。

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神様が貧しい身なりをして、旅をしていました。

あたりが暗くなってきたというのに、泊まるところがありません。

しばらく行くと、大きくて立派な家と、小さくてみすぼらしい家が、向かい合って建っていました。

そこで神様は先ず、大きな家の戸を叩きました。

「一晩、泊めてくれませんか?」窓から顔を出した主人は、貧しい身なりを見て、神様だとは思わず、すぐに断りました。

次に神様が小さな家の戸を叩くと、夫婦が出て来ました。

小さな家の夫婦は、快く神様を招き入れ、もてなしました。

次の日の朝、神様は親切な主人と、おかみさんに言いました。

「お礼を三つ叶えよう」

「一つ目は、夫婦で一緒に、天国に行くこと」

「二つ目は、その時まで、元気に暮らしていくことです」

「三つ目はありません」

それならと、三つ目の代わりに、神様は二人の小さな家を、新しく綺麗にしてくれました」

ボロボロだった家が、急に新しくなったのを見て、隣の主人はびっくり。

話を聞くと、すぐに馬に乗って神様を追いかけました。

彼は、云いました。

「昨日は、戸のカギが壊れていたのです。次は、私の家にお泊まり下さい。だから、三つのお願いを叶えて欲しいのです」

神様はしぶしぶ、承知してくれました。

ところが、家への帰り道、突然乗っていた馬が、暴れ出したので、つい、ウマに向かって、「お前の首など砕けてしまえ」と主人が言うと、ウマは倒れて動かなくなってしまいました。

一つ目の願いが、叶ったのでした

主人は馬の背中から、立派な鞍を外ずし、かつぎました。 

「オレがこんなに重いモノを持っているのに、女房は家でのんびりしているのか。フン、この重たい鞍に、ずっと乗ったままになればいいのに。」

すると、かついでいた鞍がパッと消えてなくなりました。 

二つ目の願いが、叶ってしまったのでした

家に着くと、妻が鞍から降りられなくなっていました。

それでも主人は,構わず、世界中の宝を欲しいと願おうとしたので、妻は怒鳴りました。

 「この鞍に乗ったままだったら、宝なんて、何の役にも立たないよ、早くここから降ろしておくれ」

三つ目の願が叶いました。大きな家の主人は、ウマを無くし、妻に怒鳴られて、願いを使い果たしてしまいました。

小さな家の夫婦は、一緒に天国に召される時まで、元気に暮らしました。

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「普段の行いや言葉遣いに気をつけよ」

天国(極楽)と地獄…どうも「普段の行いや言葉使い」が決めてのようですよ。

次回(その2)でこの「地獄と極楽(天国)」のテーマとりあえず終わりますね。

それでは、今日も一日、「行いや言葉使い」には気を付けてね。「キュ」