198素直な心(パート2) 道理を知る(♪♪♪全3編)その2
わずかに千両の金が増えるからといって、世の風俗を乱してはなりません。
運上金を多くしようとすれば、物の値段が高くなっていくのです。
このことを、よくよくお心得願いたく存じます」
人々は、播磨守の遠いおもんばかりを知って、皆、その言に従ったということです。
幕府の役人としての立場からいえば、運上金、つまり税金が千両も増えるということは、願ってもない話だったかもしれません。
だから他の役人達は、許可しようという意見を持ったわけです。
これはこれで、一つの考え方です。
しかし、それはそれだけの考え方というか、一つの立場にとらわれた考え方です。
播磨守は、それだけの考え方に留まることなく、そのことによって、更にどういう影響が出るのか、どういう結果を生むのかということを深く考えました。
それで、税金が千両増えるというプラスの裏に、より以上のマイナスがあるということを、見抜いたのではないかと思われます。
この播磨守のそういう遠いおもんばかりは、どこから生じたかというと、それはいわゆる視野の広さというか、物事の一面だけを見るのではなく、全体の実相を見つめて、その道理を知ったと思われます。
そして、そういう道理がわかるという姿は、やはり素直な心の働きによって、生まれてくるのではないでしょうか?
このように広い視野で物事の背景なり、全体の形を見抜くということは、世の中の仕組み、人々の生活の姿というものを知らなければ、出来ないと思います。
それが出来たのは、世の中の姿を知り、物の道理というものを掴んでいたからでしょう。
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みなさま おはようございます。
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それでは 今日も元気に 「キュ」