「アリとキリギリス」を疑ってみる(全3編)その2

【2】没頭できるものを持とう

今、あなたは没頭できるものを持っていますか?

「仕事です」と答える人は多いはずです。

特に50代ともなると、もう一踏ん張りと仕事に没頭したくなります。

ところで、没頭のさなかに、突然終止符を打ってしまうと、その後の長い人生で困ってしまうことになります。

没頭するとは「何もかも忘れて物事に打ち込める」ということです。

没頭の凄さは「持っている能力が全開される」ことにあります。

集中力が高まり「フロー状態」になります。

夢中に絵を描くと言うのならいいでしょう。

定年がないので、途中で冷めても、また始めればいい。

ところが退職間際に仕事に没頭というのは困ります。

定年がくれば、それでおしまいだからです。

没頭していた対象が、パッと消えてなくなります。

50代は、仕事に代わり没頭できるものを見つけるラストチャンスとなります。

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こういう人がいます。その人は大手のパソコンメーカーの営業マンの男性でした。

会社在籍中から美容専門学校に通います。

60歳の定年までに6年かけて美容師免許を取得します。

62歳で美容室を開業しました。

高齢者の多い地域で始めました。

もともと「訪問美容を全国に広めたい」という夢があったので、高齢者率が高い地域を選んだのです。

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来年 定年を迎えます。今から楽しみです。

わくわく人生をすたスタートします。

それでは 今日も頑張りましょう。 「キュ」

現在、開業して9年目。美容室の評判は上々で年商6000万円稼ぎます。既に、100以上の高齢者施設と、訪問美容の契約を結んでいます。彼のモットーは、「生きている以上は、目の前の人の役に立たないと、生きた証明にならない」というものです。彼がまだ会社員であった頃、50を超える年齢で、美容専門学校に通う姿を見て周りの人間は「本気なのか」「あの人、変わっている」と囁かれていたに違いありません。でも、それくらいのことをしないと、第二の人生は充実できないのです。