69)「早くしなさい!」と「ゆとり」(♪♪♪全2編)その1
西ドイツの童話作家、ミヒャエル・エンデの『モモ』という童話があります。
イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男達によって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまいます。
しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人自身を取り戻させてくれる不思議な力を持つモモが、冒険の中で奪われた時間を取り戻すというストーリーです。
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ローマ郊外にある円形劇場の廃墟に、浮浪児の女の子のモモが住みつきます。
彼女には、人の話をよく聞いてあげるという特殊な才能が備わっています。
子供達は、学校帰りにモモの所に寄って、学校でのいやなこと、その他様々な悩み等を話しているうちに、不思議と気持ちが解放され、ゆったりとした気分で帰るようになります。
やがてその話を伝え聞いた大人達も集まるようになります。
仕事が終わって、愚痴をこぼしていくうちに、知らず、知らず心の平安を得て家に帰るのです。
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ところが、モモのいる町に「時間貯蓄銀行」ができます。
モモの住む町に「時間貯蓄銀行」から灰色の銀行員の男達がやって来て、『人生の無駄使いをしないために「時間」を貯蓄して、後でたっぷり使いましょう』と言って、人々から次々に「時間」を奪っていきます。
その銀行員は、言わば時間泥棒です。
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町に住む人々は、最初は喜んで自分の無駄な「時間」を貯蓄し始めます。
ある日、床屋のフ―ジーさんの所にやってきて、こう聞くのです。
「散髪にどのくらい時間をかけていますか?」
「1時間かけている」
「それはもったいない。無駄な世間話などしないで、15分で散髪すれば45分節約できます。家でお母さんの面倒を見るのも、時間のムダだからやめて、その時間を時間貯蓄銀行に貯蓄してください」といわれたフ―ジーさんは、散髪にかけていた時間を短縮し、お母さんも養老院にいれ、余った時間を銀行に入れてしまいました。
こうしてフ―ジーさんは、ありとあらゆる無駄な時間を貯蓄した結果、売上も伸びて金持ちになりますが、セカセカして怒りっぽくなります。
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町の他の大人達や子供達にも、時間泥棒が働きかけます。
やがて町中の誰も、モモの所に来なくなってしまい、町には落ち着きが無くなってしまいます。そして街は灰色に・・・。
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みなさま おはようございます。
今日も よろしくお願いいたします。
それでは 「キュ」