70)「早くしなさい!」と「ゆとり」(♪♪♪全2話)その2
そこで、時間泥棒とモモとの間で、「時間争奪戦」が始まります。
壮絶な戦闘の結果、最後にモモが勝って、町にゆとりと心の平安が戻るという、誠に象徴的な童話です。
人々がその時「無駄な時間」と勝手に思っていたのは、実はその人々がその時にしか味わえない心の「余裕(やすらぎ)」だったのです。
ところが母親が、子供に対して一番多く言う言葉は「早くしなさい」だそうです。
「早く食べなさい」、「早く支度をしなさい」「早く寝なさい」・・・
ことほどさように、現代は「早く」が、重要な価値観になっています。
確かに、早くすることによって得したことは多くあります。
しかし、その反面、我々は大事なことを、捨ててきたのかもしれません。
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「人一字識(し)らずして、而(しか)も識意多く」という言葉があります。
安岡正篤先生は、これを人間は一字を知らなくても、つまり文字の教養がなくても、「その人自体、詩人的であること」が大切だと、主張されています。
「識意多く」とは、文字なんか知らなくても、いわんや学校なんか出ないでも、文芸の本なんか揉まんでも、人柄そのものが詩的である。
或いは芸術的であると解釈されています。
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この詩的であり芸術的である人は、「早くしなさい」という、セカセカした人とは、対極の位置にあります。
詞的な人は、弾むような感性と感動することを忘れない魅力あふれる人。
世俗にまみれて生活していれば、効率化、時間の節約等の大きな流れから脱することは、なかなか難しいことではあります。
しかし、どんなに忙しく毎日を過ごそうと、1日の内の1時でもいいから、心やすまる、ほっとする平安の時間を持ちたいものです。
ざわつく世間の中にあっても、詩的な気持ちを常に持つ、共感性を備えた人でありたいものです。
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みなさま おはようございます。
今日も 宜しくお願いいたします。
それでは 「キュ」