79).三風五雨を生きる(♪♪♪全3編)その1

臨済宗の高僧、高花大亀氏の話に「坦雪埋井(たいせつまいせい)」という言葉があります。

「人間の努力や営みは、雪を投げ込んで、井戸を埋めようとするようなものだ」という意味です。

どんなに雪を運んでも、井戸は埋るはずはありません。

徒労といえば徒労です。

しかし人生とは。元々そういうものだと思っていれば、他人を恨んだり、妬んだりせず、清々しく生きていけるのではないでしょうか。

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独特の画風と自由な生き方で「画壇の仙人」と呼ばれた、洋画家の熊谷守一氏は、上記の話を「三風五雨(さんぷうごう)」と表現されています。

「人生を10日間としたら、晴れる日は2日ぐらいで、3日は風が吹き、5日は雨が降る。風が吹いたり雨が降ったりするのは当たり前、気に沿わない日があっても、そう考えて元気を出せよ!」と言うわけです。

10日の間には、風が吹いたり、雨が降ったりする日の方がほとんどで、「わずかに晴れた日には、感謝する」という気持ちを持とうではありませんか。

そもそも、人生は、天気と同じで、毎日晴れることの方が少なく、晴れを期待しすぎるのは、無理があるのです。

初めから「風や雨が降ることの方が多い」という覚悟があれば、風や雨に不平不満を持つことも無くなり、晴れた日に感謝できるはずです。

ところが、晴れた日の様な素晴らしいことに遭遇すると、それは「自分の能力や実力のお陰だ」と、人間は天狗になってしまいがちです。

そんな人に限って、雨風の強い日に出くわすと「私は、こんなにやっているのに、何故報われないのか、何故、私だけが、こんなに辛い思いをしなければならないのか」という気持ちが持ちがちです。

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みなさま おはようございます。今日も宜しくお願いいたします。

今日も元気に 「キュ」