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106).泥かぶら(全3編)その3

ところが、そんなある日、村に恐ろしい「人買い」がやってきました。

人買いは借金のかたに、一人の娘を連れて行こうとします。

「泥かぶら」と同じ年の親しい娘です。

見かねた「泥かぶら」は、人買いに、自分を身代りにしてくれと頼みます。

こうして、売られていく「泥かぶら」と人買いとの都への旅が始まります。

旅の途中、毎日、「泥かぶら」は、何を見ても笑い喜びます。

しかも人買いを自分の父親のように慕い、親切にするのです。

そんな「泥かぶら」の姿に人買いは、激しく心を揺さぶられます。

月の美しい夜でした。

人買いは、「泥かぶら」に、お金と共に置手紙を残して、そっと姿をけします。

手紙には、こんな言葉が書かれていました。

「俺はお前の寝顔を見て恥ずかしくなった。お前が話をきかせた赤ん坊のように俺の心に憎いものが無くなった。今日から人質はやめる。いい仕事をしよう。お前も、幸福にお暮らし。・・・俺は今踊りたいくらいだよ。お前のお陰だよ。お前の笑い声、俺は一生忘れない。ありがとうよ。仏の様に美しい子」

・・・

「泥かぶら」は、その時初めて、お爺さんが自分に示してくれた、教えの意味を悟るのです。

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泥にまみれて、醜い姿をしていた少女も、自分を変えることができました。

彼女に酷い仕打ちをしていた周りの人達の心も、期せずして変わっていきました。

………

どんな人間でも、自分を変えることが出来ます。

自分の心がけを変えるだけで、自分の人生を変えることができます。

人を幸せにすることもでき、それがまた自分の幸せにつながります。

そうして、私達の人生はさらに美しく、愛に満ちたものになるのです。

………

「泥かぶら」が教えてもらい、そして実行した次の3つは大事なヒントです。

・自分の顔を恥じないこと。

・どんな時にもにっこりと笑うこと。

・人の身になって思うこと。    (終わり)