ちょっと“振り返り”をします(その五)

第3番目のお母さん(聴く:Listen)の場合

3番目の娘さんも、やはり算数の成績はいまひとつです。でも70点ぐらいが普通です。ところが、この日は85点でした。娘さんは、嬉しくて、嬉しくて、答案を手に持って走りながらかえりました。

「お母さん、85点取ったよ!」

あいにくお母さんは、洗濯をしていましたが、その手を休めて、どれどれと答案を覗き込みました。そして自分の娘の顔を見て、「あっ、この子は、走って帰ってきたんだわ」と、荒い息づかいにハット気づきました。「おかあさん・・・・・」と言って、見上げている目が輝いているのを見たとき、お母さんは、「私に何か言って欲しいのだ」と感じました。そして、「まあ、よかったね。あなたがよく頑張ったからよ」と、思わず声が出てしまいました。そして答案用紙を手に取って、「ここを気をつけたら、今度はきっと100点とれるわね」と言いました。

娘さんは、本当に嬉しそうにうなずきました。