“今こそ「スパン・オブ・コントロール」”その(一)

「スパン・オブ・コントロール」とは、統制の限界・管理限界と訳します。例のドラッカーが発明したマネジメント用語です。みなさんの会社でもし組織上のトラブルがあるとしたら、これが原因かもしれません。

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「スパン・オブ・コントロール」は、組織原則のひとつで、組織において上長が統制する範囲には限界があり、その限界を超えると組織の統制がとれなくなるというものです。しかし、ここではもっと広義に解釈してみたいと思います。

社会と企業の抱える問題点を挙げてみたいと思います。現在、社会や企業を取り巻く環境は複雑で、何時、どんな形で不祥事や事故、予測できない事態に巻き込まれるかわからない時代です。長年お菓子作りをしていた会社が、汚染米を使い、あたかも加害者のごとく社会に公表され、大変な損害を被ることがありました。社会が管理限界を超えているから、こうした不祥事を防ぐ手立てが無いのに等しいのだと思います。モラルの欠如が大きく起因していることは言うまでもありませんが、組織自体が、統制限界を内包しています。

次回は、「スパン・オブ・コントロール」限界の克服について具体例をあげて説明したいと思います。