経営者の趣味

「公」である経営者にとって「健康」についで留意すべきことがあります。それは、「趣味」です。趣味を持つことは良いことです。TVや雑誌などで大企業の社長が、ペットを抱いたり、庭いじりをしている姿をみると微笑ましく、親近感や人間味を覚えることがあります。しかし、あまり「私」を出し過ぎるのはどうかと思います。特に、社内や取引先関係には注意しなければなりません。同好の士や仲間はくせ者です。私は人事でしたからその辺りの会社の考え方は上役から指導を受けました。実際、特に権限のある人の行動はよく観察しました。部下は趣味で近づき関心を得ようとし、取引先は取引を有利にしようと近づきます。ホテルのバーで飲むことが好きなトップには、仲間と称するその手の人間が集まるようになりますし、トップが特定の部下をつれてゴルフに行くなどもっての外です。同行した本人はとも角、行かなかった社員たちのトップを見る目が一変します。エコヒイキに映ります。そして派閥が出来ます。インフォーマルな組織が正当な組織を蝕みます。少なくとも、現職の時は自制した方がいいでしょう。「群れない」「集めない」「近づけない」「見せない」がトップの心得だと私は思っています。