『踊る大捜査線』にみる組織とリーダーの醍醐味(その一)

【刑事だってサラリーマンだ】

テレビの視聴率で、いつも上位に来るのが刑事・警察ものです。何故なのでしょうか?それは、見る側が共感できる部分が多いからではないでしょうか。国民はタテ割り行政、現場を知らないエリート官僚など自分たちにはどうにも出来ない世界に対し、やるせない怒りを持っています。

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警察を舞台にした『踊る大捜査線』は『組織の不条理』といかに戦うかを考える絶好のケーススタディーだと思います。

理想のリーダーとは強い組織の条件とは????

それでは、始めます。

 

【どこの組織も似たりよったり】

エンターメインテントの世界にあって、踊る大捜査線』は、一貫して「組織」をテーマにしてきたすごく面白いドラマ・映画だと思います。

なぜ、踊る大捜査線』で組織論を語ろうと思ったかといいますと、「刑事だってサラリーマンだ」という捉え方で観ると、ある種のリアリティーが出て、非常に面白いのではないか、と考えたからです。

警察のリアリティーとは何かというと、命がけで犯人逮捕に突入しても、記者会見するのは現場にいたかどうか定かでない県警の本部長だったりで、まさしく、「ザ・組織」という感じです。ドラマでは刑事はヒーロー扱いされますが、本当はヒーローを存在させてはいけないのです。「組織でかつ強さ」を見せなくてはならない。ならば、組織で勝つとはどういうことなのだと考えていくうち、組織論に興味を持っていきました。 ※以降『踊る大捜査線』は『踊る』と表現します。

 

「踊る」が視聴者から大きな支持を得たのは、そうしたリアリティーの一つひとつに、観る側が、「こういうのって、うちの会社にあるな」と自分たちの働く世界を投影したからだと思います。