ことが済んだ後の心得(全3編)その1
その日、私はタクシーで自宅に向かっていました。
すると道路脇の駐車場からいきなり黒い車が飛び出し、
私の乗ったタクシーの前に強引に割り込んできました。
驚いた運転手さんが、急ブレーキをかけたため、
タクシーはスリップし、
前の車まで、あと数センチの所でかろうじて停止しました。
「いきなり割り込むなんて信じられない!」
怒りが出て来ました。
・・・でもその後、
さらに信じられないことが起こりました。
黒い車を運転していた男
(つまり、危うく事故を起こすところだった張本人)が、
こちらに向かって、大声で怒鳴り出したのです。
一体何を考えているのだろうか?
さらに驚いたことに、
被害者であるタクシーの運転手さんは、
男の行動にいらだつ様子も見せませんでした。
それどころか、にっこりと微笑みかけ、手を振ってその場を去ったのです。
この運転手さんは、何かの宗教の信者なのだろうか?
・・・
不思議に思って、
「運転手さん、あんな奴に、よくもそんな態度がとれますね、あいつのせいで、私達は死んでいたかもしれないのに・・・」
この時の運転手さんの返答が、素晴らしかった。
彼は、静かにこう言ったのです。
「お客さん、こういう仕事をしていますとね、ああいう連中にしょっちゅう出くわすんですよ。彼らの心の中は、不満、やり場のない怒り、落胆といった感情の『ごみ」で一杯なのです」
・・・
明日(その2)はここからです。
「ごみ」が貯まって、
心の入れ物から溢れそうになると、
今度は捨てる場所を探すんです。
だからね、
「なんで自分がこんな目に!」
なんて思う必要はありません。
ただ、にっこり笑い、
手を振ってやり過ごし、
幸運の一つでも祈ってやればいいのです・・・
※先ほど自宅に戻りました。
今日は遅い投稿になり申御座いませんでした。
それでは みなさま 今週も宜しくお願いいたします。
「キュ」