人生ここが一番おもしろい(全3話)三話

【3】若さを生む努力

人間、50年も生きると、なかなか習慣というのもを変えることが出来なくなります。

喫煙、飲酒が止められません。

ところが、何らかの拍子に吸わなくなったり、飲まなくなったりしても、意外に平気なものです。

習慣は変えられないと思い込み、機械的に繰り返している部分もあります。

サラリーマンは毎日が単調になりがちです。

このため身につけた習慣は独特なものであるし、本人は変えることができないと思っています。

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定年と共に、当たり前と思っていたものが全部消えます。

名刺の威力もなくなる、飲んで愚痴を言い合う相手もゴルフ相手も、一気に消えてしまいます。

目をかけてやった部下に電話して誘っても

「すみません。時間がとれないんですと」

と丁寧に断られることでしょう。

それが嘘であることはすぐにわかります。

何故なら、嘘の付き方を教えてあげたのは、ほかならぬ自分だからです。

定年が視野に入る50代のうちに、サラリーマン固有の習慣を少しずつ変え、新しい習慣を身につけていく作業が必要になります。

ここから手を付けていいのか分らない人は、まず、次のようなことにとりかかってみるとよいでしょう。

「今まで無関心であったことに興味を持ってみる」

「関心ゼロであったAKB48について知る努力をする」

「新しいことに挑戦する」

「新しい事を始める」

「あえて行かなかった美術館に行く」

「夢を持つ」

「死ぬまでやり遂げよう」

と思う目標を作る。

とにかく何かに挑戦してみることです。

いくら定年後の生活にゆとりがあるとしても、のんべんだらりと20年過ごしていたら、確実に頭も体も衰え、バカになります。

バカが食べて寝るだけの生き方となり、奥さんから「三行半(みくだりはん)」を突きつけられることでしょう。(終わり)

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明日は『フランスの画家ルノアール』のお話です。

フランスの画家ルノアールは、78年の生涯におよそ6000点もの作品を残している。

特に晩年には、甘美な色彩で情感豊かな女性の美しさを表現した傑作を数多く描きあげたが、実は60歳を超える頃から、持病のリウマチが悪化し、手足が不自由になってしまっていたそうです。

それでも彼は、車椅子に乗りながら、堅くなって動かない手に絵筆を結びつけて毎日キャンパスに向かい合っていた。

それはとても辛い作業だっただろうが、ルノアールの絵には、そんな暗さは全く感じられない。…

題して、『幸福になる義務(全3編)』です。