8)地獄と極楽の違い(地獄編)その2
地獄編
同じ話なのですが、少し感じが違ってきます。
どちらの話を使うかは、その場の雰囲気によって使い分けると良いでしょう。
比較することにより、話は色々工夫することが出来ます。
……
ある老人が「地獄と極楽ってどういう風に違うんだろう」と考えていました。
すると、お釈迦様が、「では、地獄と極楽の見学ツアーに連れて行ってあげましょう」と言い、連れて行ってくれました。
まず、地獄です。
地獄には、丸いテーブルの上に、沢山のご馳走が並んでいる。
その老人が、思わず喉をごくりと鳴らしてしまうほど、美味しそうである。
しかし、ご馳走を取り囲む地獄の人達は、凄く不機嫌そうである。
「どうしてだろう」と、その人は不思議に思っていたが、いよいよ食事の時間になるとその訳が分かった。
地獄の人達は、目の前のご馳走を、2メートルほどの長~い箸を使って食べなければならなかった。
その箸を使って、食べ物をつまむのは容易ではない。
なんとか詰めても、自分の口に運ぶのはさらに難しい。
せっかくつまんだご馳走を、途中で落としてしまうことがほとんどである。
しかも、隣の人の肩に肘が当たったり、隣の人の腕が自分の体にふれたりすることも多いのである。
そうなれば、隣同志で「お前のせいで、落としたじゃないか」「いや、お前が悪い」と言い合いになり、その結果、叩きあい、殴り合いのケンカになる。
そうしているうちに、食事の時間は終わる。
地獄の人々はほとんど何も食べることが出来ず、欲求不満のまま。
顔も体もあざだらけで、まだ、ケンカをしている人が、あちらこちらにいる。
お釈迦様が言うには、地獄の人々は、そんなことを毎日繰り返しているそうである。
次に、お釈迦様は、老人を極楽に案内しました。
…次回は「極楽の食事の様子です」
それでは、今日もお疲れ様でした。「キュ」