13)返報性の原則…和顔施(その1)

 一つの法則があります。

「与えると与えたものにふさわしいものが返ってくる」という法則、“返報性の法則”です。

例えば、「おはよう」と挨拶すると、普通は、「おはよう」と返ってきます。

笑顔でいると、あいてからも、笑顔が返ってくることが多いものです。

聖書にこんな言葉があり、幸福の黄金律と言われています。

「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい」(マタイによる福音書7-12)

自分が、人にこうしてもらいたいなと思うことをしてあげると、きっとその人は喜んでくれるだろう。

そして、その人は、「お返しにあなたにも何かしてあげたい」と思うだろう。

でも、その人自身が、お返しができるとは限りません。

しかし、長い時間をはさんで、別の形で帰ってくることになるかもしれません。

「必ず何らかの形で返ってくる」と、信じて生きてもいいと思います。

ただ、人に見返りを期待して与えると、直ぐに見返りがなければ、虚しくなることがあるでしょう。

世の中の親の多くは、少しの見返りも期待せずに、子供に自分の持っている者を与えています。

相手の幸福を望む気持ちがあれば、与えること自体が、与える人に喜びをもたらすものです。

でも、与えるものと言っても、何を?…

人は自分の持っていないものを与えることは出来ません。

出来るのは、自分の持っているものです。

ですから、与えるものは、誰でも持っています。

私たちの中にある素晴らしい能力、優しい心、そして心を明るくする笑顔などです。

和顔施”(わがんせ)という言葉もあります。

それらを、自分の中だけに眠らせておくのは、如何にももったいない。

与えることは、誰にでも出来ます。

行いを通して、言葉を通して、いや、無言でも、目と目で語り合えます。

きっと、何かが出来るのです。

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それでは皆さま、今日も一日お疲れ様でした。 「キュ」