101)良いところを見ませんか(全3編)その2
「いくら努力しても、うまくいかない」「一生懸命頑張っているのに、いつも失敗ばかりしてしまう」と嘆いている人は、「人生は、思うようにいかないものだ」という、信じ込みがあるのかも知れませんね。
そんな思いを持って、人生という映画を観ると、「思うようにいかない」シーンばかりが見えてくるのです。
たとえ、上手くいったり、成功したりしても、そんなシーンは、見逃してしまっているようです。
努力しても一生懸命に頑張っても、本当に失敗ばかりなのでしょうか?
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小さな成功、思いがけずうまくいったことが、今まで、ただの一度も無かったということは無いでしょうね。
それを、受け入れてみれば大きなチャンスになったかも知れないのに、「どうせ偶然だよ」とか思いながら、見過ごしてしまい、結局、大きな成功をつかむ機械も見逃したのかも知れません。
その人には、うまくいっているよりも、失敗している自分の姿が、よくも見えるにですから。
「自分は何をやってもダメだ!」「私には、才能もお金もないから夢を実現できない」と思っている人も、自分の良いところ、素晴らしい可能性を見過ごしているかも知れません。
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一度は「自分はできる」「何をやってもうまくいく」そんな思いを持って、自分を観てみてはいかがでしょうか。
あなたの映画は、きっと元気が出るシーンが満載のはずですよ。
100).良いところを見ませんか(全3編)その1
「とても面白いから、絶対に見た方がいいよ」と、友人に誘われて映画を見に行きました。
その友人はストーリーのタネ明かしをしない程度にどんなところが楽しいのかとか、こんな興味深いシーンがあるよとか、事細かく教えてくれたのです。
観にいって大正解でした。友人が言ったとおり、見どころがいっぱいで最後まで楽しみ事ができました。
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そこで、次の日に会った別の友人にも、その映画を勧めてみました。
「ああ、その映画ならもう見たよ。つまらない映画だったね」意外なことに、彼はそんなことを言うのです。
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「だって、ストーリーにこんな矛盾があるし、あそこであの人が出てくるなんて、都合すぎるよ、それに・・・」と、彼は、なぜつまらなかったのかを、細かく教えてくれました。
しかし、そんな矛盾や都合よすげるシーンは、あまり私の記憶に残ってはいなかったのです。
また、彼は、私が伝えた興味深いシーンや感動する場面については「そんなシーンあったっけなあ」と首をひねるのです。
聞いてみると、彼は、前もってある雑誌で、この映画の問題点を指摘している映画評を読んでいたそうです。
ひょっとしたら、それが頭に残っていて、彼には問題のあるシーンばかりが、印象に残ったのではないでしょうか。
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逆に私は、映画の面白いところを聞いていたので、それを期待して観ていました。
だから面白いシーンばかりを観て、楽しめたのでしょうね。
『面白いと思ってみるか、つまらないと思ってみるか』、全く同じ映画を観たはずなのに、友人と私では、観ていたものが全然違っていたようですね。
99)世の中はここより他になかりけり(全2編)その2
『魂をゆさぶる禅の名言』双葉社より
玄峰(げんほう)老師がいつも口にしていた言葉が、この「世の中はここよりほかになかりけり」である。
静岡県の三島市に、山岡鉄舟が通ったという、白隠禅師ゆかりの名刹、竜沢寺(りゅうたくじ)がある。
しかし、戦後荒れ果て無住の寺のようになってしまったのを、歴代首相も訪れる寺として、立て直したのが山本玄峰老師です。
終戦の天皇陛下のお言葉「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という文言も玄峰老師の進言によるといいます。
玄峰老師は、和歌山県の紀ノ川に、捨て子として捨てられていたが、その後、寺の住職に助けられ、禅の道に進みました。
「放たれたところで起き上がる小法師(こぼし)かな」
……
人生には時として、思わぬアクシデントが起こり、試練や苦難がやってきます。
しかし我々は、どんな状況になろうと、起き上がり小法師のように、放り投げられたところで、起き上がるしかないのです。
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また、どんな預言者であっても、明日はどうなるのか、それどころか一瞬先がどうなるのかさえ分かりません。
人生は、「即今(そっこん)」
今しかないと思い定め、くよくよ心配せず、この瞬間を懸命に生きたい。