“人の活用について”

安倍晋三総理は、成長戦略の一つに女性の活用を盛んにアピールしています。女性大臣、女性…とこだわることに私は違和感を覚えます。先進企業のなかには、30年ほど前から大卒女子を大量採用してきた企業も沢山あります。本来、社員を採用するのに男性も女性も何の関係もありません。能力的にみて何も変わりません。総じてむしろ女性の能力が高かったから採用してきたのです。実際、一緒に仕事をしていて、能力的には大卒女子の方が高いと感じています。先入観でストーリーを決めてしまうからそのような話になるのでしょう。国籍、年齢もそうです。初の黒人の大統領とか最年少知事の誕生も同じ類です。物の本質とは何の関係もありません。

経営者の場合、どう考えたらいいのでしょう。経営者とは自分のことより事業を優先することができる人だと思います。企業は社会の機関です。経営者は企業の機関です。ということは、経営者は社会の機関です。社会の機関であるからには、経営者は与えられた資源(人・物・金)を効果的に駆使して、財貨とサービスを社会に提供する。その提供の対価として、利益を頂く。利益はまた、次への投資の為に活用され、増殖活動をし続けます。

経営者の中には与えられた資源はすべてが自分の所有と勘違いしている人もいます。経営者にあるのは、与えられた資源を活用する「活用権限」なのです。活用し、良い財貨サービスが提供できなければ交代を余儀なくされる。これが社会の正常な機能だと思います。