•「オオカミと少年」を考える(全4編)その2
感情的になると、判断を誤る
嘘は信頼を無くす。
自分の価値も下げてしまう。
そんな教訓で、良く知られた物語です。
少年がウソをついたのは、確かに問題でしょうし、{嘘をついてはいけない}は、極めて分かり易い学びでしょう。
しかし、そんなに単純な話でしょうか。
結末は諸説あるようですが、オオカミは村の羊を全て食べてしまつた、という話が一番広まっています。
オオカミ少年を信じなかったことで、村人全員が大変な目に遭ってしまったのです。
・・・
教訓にしなければならないのは、オオカミ少年にウソをつかれた村人たちの対応は、果たして、適切だったのか、ということです。
危機管理の専門家の話はこうです。
「最もやってはいけないのは、感情的になること。感情的になった瞬間、正常な判断が出来なくなる」
この童話では、少年のいたずらに村人たちは怒り、感情的に反応してしまった。
オオカミが、村に入ってくるのは、とんでもないリスクです。
ところが、ウソをつく少年憎しでそのリスクを忘れて現実に直面してしまったわけです。
次回(その3)はここからです。
こういうことは、ビジネスの現場でも起こりえます。
扱いが面倒な人は存在します。
ウソをつく人もいます。
ところが、一時の感情的な判断が、後に大変な状況を、引き起こしかねなません。
問題児が言った正しい意見に、耳を傾けなかった為に、会社が大きな取引先を失ったり、大損害を被ることもよくあります・・・