“常のトップが正しいとは限らない”

松下幸之助さんの話に、「私は、学歴がないから大学出の人に手伝ってもらった。体が弱かったから体の丈夫な人に来てもらった」という話があります。補完の関係、分業の関係です。

 血族・親族による経営は、日本のみならず欧米においても多いです。それは、経営の基盤となる信頼面での安心感があるからでしょう。そのメリットは大きいです。しかし、それもある一定の規模までです。規模が大きくなれば、多くの他人を雇用し、会社の目標に向かって分業組織を作ります。そして、それを動かす制度システムが必要となります。そこには分業に伴う職務権限の分担が伴います。

システムとは異質の組み合わせです。同質のものがどれだけ集まってもそれは1にしかなれません。異質のものが乗積して価値が生まれます。組み合せには知恵がいります。その知恵には一定のルールと人間の経験法則があるにもかかわらず、実践しようとしません。一定の規模にまでいった会社で創業者が身を引いたり、横道にそれた途端ダメになっていく会社がほとんどです。

では、どうすればいいのか、経営者、管理者、従業員が気をつけることについて述べていきたいと思います。